温故知新 


企画展「森戸辰男とその時代」
 森戸文書研究会代表 総合科学部 助教授
 小 池 聖 一
 この企画展は、創立記念日を前後する平成十一年十一月四日から十二日まで附属図書館展示スペースで行われました。教職員、在校生、OBの方から一般の方にいたるまで、のべ約一二○○人の方に見ていただき、また貴重なご意見等をいただきありがとうございました。
 本展示では、広島大学初代学長森戸辰男先生(以下敬称略)の一生を、生前の森戸自身および冨仁子夫人等から広島大学が寄贈をうけ、森戸文書研究会が現在整理中の史料を中心に、八十四点を展示しました(写真パネル三十一点、書二点、胸像一点、書簡四点、文書四十四点、ポスター二点。このうち、ふくやま美術館からの出陳品五点)。
 趣旨としては、森戸事件の被告として学問の自由を守り、労働者教育を無償で行なった戦前期と、片山・芦田両内閣の文部大臣、広島大学長、日本育英会会長および中央教育審議会会長として戦後教育の再改革に主導的な立場をとった戦後とで正反対の評価がなされている森戸辰男の再評価を試みるものでした。展示を通じて森戸が社会科学者として理想を見失うことなく現実と向き合い、教育者としては、常に教育機会の拡大に努める一生であったことの一端を明らかにしえたと思っています。
 今後も整理作業および研究を継続するとともに、公開作業も並行して行きたいと思っています(現在、インターネットで一部公開し、マイクロフィルムの刊行も予定しています)。最終的には、詳細な目録を作成し、広く研究者等に公開したいと思っています。と同時に、森戸辰男関係資料については、常設展示も含め、図書館業務とは違う保存と公開方法、資格が必要であり、このための拠点を作るよう努力していきたいと思っています。その際、独立行政法人等の問題もあり、森戸資料は、広島大学建学の精神・理念を明らかにし、広島大学五十年史編纂とともに広島大学の個性化に寄与するものと考えています。
 最後に、ご協力いただいた広島大学五十年史編集室、附属図書館および整理作業等に従事している学生諸君に改めて感謝いたします。

右より、木田宏氏、森戸冨仁子氏、筆者



広島大学応援歌の歌詞を決定

 広島大学創立五十周年記念事業委員会
 広島大学創立五十周年記念事業の一つとして広島大学応援歌を制定することになり、応援歌としてふさわしい歌詞を募集したところ、名誉教授、学生及び職員から九点の応募があり、厳正な審査の結果、左記の方々の作品を優秀作品として選定しました。
 ○最優秀賞 波田整爾(医学部職員)「燦・鏡山」
 ○優秀賞  鳥羽隆憲(総務部職員)「鏡ヶ丘」
 最優秀賞選定の理由として、(1)少しの修正で、「広島大学の理念」が折り込まれること、(2)「鏡山」、「赤き甍」など地域に密着した表現があること、(3)清澄なリズム感があり、国立大学にふさわしい格調があること、が挙げられます。
 応募作品に若干の修正を加え、次のものを広島大学応援歌の歌詞とすることに決定しました。
 ついては、この応援歌歌詞にふさわしい曲(メロディー)を募集しますので多数応募くださるよう案内いたします。(応募要領を、本誌五十三ページの「広島大学応援歌メロディー募集要領」に登載)

応援歌歌詞  題名(仮題)「燦・鏡山」

一  輝き青く鏡山  櫻花の薫り満る刻
   我らが集い拓けきて  真理の探求を温しむ
   不死鳥今ここに燃ゆ  
二  広き大地に学舎よ  夢と希望を語る刻
   我らが集い飛翔きて  新しき知に勤しまん
   不死鳥今ここに翔ぶ
三  赤き甍と学都の社に  歴史と未来の交る刻
   我らが集い普ねかん  平和の希い永久なるぞ
   不死鳥今ここに舞う





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