東千田から西条へ

 秋 葉 欣 哉(あきば きんや) 大学院理学研究科分子反応化学講座 


〈部局歴〉
 昭和39・4 (東京大学)
   55・4 理学部
 平成11・4 大学院理学研究科
   
 


 理学部化学科の反応有機化学講座を担当するために、昭和五十五年(一九八○年)四月に、東京から広島市へ赴任したので、平成十二年(二○○○年)三月まで、丁度二十年間教授職を務めることができました。平成三年の夏に、理学部が西条へ移転したのに伴い、直ちにががら第一宿舎に入居させて頂きました。この間の両地における経験について、語るべきことは誠に多種多様であります。それらの状況などの説明を省略して、一部を列挙します。

一、反応有機化学研究室のモットー
   フラスコに夢を語り、試薬に愛を注ぐ
   そして人間を大切に
二、狸腹へこましつかむ学術賞さてもめでたや瀬戸内の春
三、新墾の鏡山射す朝日影賀茂の台地に満ちて開け行く
四、ひろしま大学物語。理学部(西条酒のラベル)。
くつじゃないぞ かくはたのし りがはふかし
ことのんげん きわめるうれし あすをみちびく
  わこうどたちが つどうはなやぎ ここにあり
                       狸原作
五、ラボに入りフラスコ組みて一呼吸今日のわが夢試薬に語る
六、フラスコの底の小さきクリスタルわが半年の想念のすがた
七、いかにいたるやそは吾しらず日一度ラボで語れば心弾める
八、下下も下下下下の下国の山の端に
今日見る月よ歯にしみとほる 
九、山里の道の辺の霜見つつ行きわが吐く息の白きに気づく
十、去るために任地はありて二十年の時を背負ひて今我行かむ






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