想い出

 尾 崎 卓 美(おざき たくみ) 理学部特殊加工技術開発室 


〈部局歴〉
昭和35・11 (民間)       46・7 理学部
   
 


 マラソンに例えればゴールの手前だろう、走ったり、歩いたりの道程でした。途中倒れることもなくゴールを迎えられるのは幸せでした。今でも忘れられない事柄に、旧理学部一号館のガラス製模型作りがあります。ある懇親会の席で酒の勢いも手伝い、思いつきでこの話をしていると、学部長、事務長の耳に入り、結局、理学部の移転事業となってしまった。それから悪戦苦闘の連続であった。製作中、いつ完成するのかの問いに次第に重圧を感じるようになったが、投げ出すこともできない状態であった。製作日数八十五日、材料ガラス棒八○○メートル、「口は禍のもと」の疲労作でした。
 旧工作室は移転を契機に改革し、名称も特殊加工技術開発室となった。発足と同時に他学部の製作依頼も可能としたが、繁雑さを防ぐため公表を控えていました。このフォーラムが公表の場となりました。経費節減の折り、ご相談下さい。技術職は視野が狭くなりがちです。自己研鑽はもちろんですが、上司、指導者の理解と環境が必要不可欠と思います。磨けばダイヤモンドになる人材が技術部には数多くおられます。
 ちなみに私は努力不足で軽石に終わりましたが、最後に皆様方のご健康を祈ります。


奥松島にて(筆者中央)



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