六十三才の旅立ちふたたび
岸 本 眞 也
(きしもと しんや) 医学部地域・老人看護学講座
〈部局歴〉
昭和40・4 (公立病院)
41・4 (京都大学)
45・12 医学部附属病院
47・8 (原爆傷害調査委員会)
50・3 医学部
大学医学部を卒業後京都大学内科学第一講座を経て、恩師三好秋馬先生に呼ばれて本学に参りましたのは、昭和四十七年の晩秋の候でした。爾来二十八年間本学で命を守る仕事、教育、研究に専念し、不十分ながらも全うできたことに満足し、終始私を支えて下さったあらゆる領域の方々に感謝致します。
さて、六十三歳、自分の力の衰えをつとに感じ始めました。期せずして、同年齢で力の衰えに気付いたエスマンはその詩「テルミヌス」に、今こそ老いる時、帆を畳む時だ、海原にも岸辺を設け給う、境界の神がとうとう私を訪れて申されるには「もういい!もはや伸ばすでない、汝の心の枝、汝の根を。旅立ちを想え、ねつ造はやめよ。汝の天空を縮小せよ、天幕の大きさにまで。」(正論一月号)。しかし、私は今から再び旅立とう、再び伸ばそう、命ある限り命を守ることに専念しよう。そして、そのために若い人々を育てよう、と決意しております。有難うございました。
米国消化器病学会に出席して
(Washington DCにて5.1998)
広大フォーラム31期5号
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