在職中の思い出

 香 川 壽美子(かがわ すみこ) 医学部附属病院看護部 


〈部局歴〉
   昭和36・3 (国立岩国病院)   39・4 医学部附属病院
   
 


 看護職に憧れてこの道を選びました。健康な身体で今日まで勤務出来たことを幸せに思います。在職中の思い出として阪神大震災後の救護活動が挙がります。医療設備に恵まれた環境での業務に比べライフラインの断たれた避難場所での救護活動は医療の原点を知る思いでした。寒い体育館の中でダンボール箱の荷物で生活スペースを確保している人々、列をつくって炊き出しを受け取る光景、簡易トイレ、簡易風呂と災害は人間の生活を一変させます。そんな状況下での救護活動は私に良い経験と成りました。
 病床では多くの患者様との出会いがあり、その中で「感謝の気持ちを持つ」大切さを学びました。日々の看護実践を通して私のモットーとした「思いやりの気持ち」と「人間関係を円滑に」は、少なからず周囲に影響を与えたと思っています。新病棟の工事が進んでいますが完成を見ないで退職するのが残念です。私が無事に今日を迎える事が出来ましたのは一重に皆様方のご支援のお陰です。永い間支えていただき有難うございました。大学病院のさらなる発展と、職員の皆様のご健康とご活躍をお祈り致します。


世界の舞台での救護活動(筆者左)



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