新しい知の時代への期待
田 澤 榮 一
(たざわ えいいち) 工学部第四類建設構造工学講座
〈部局歴〉
昭和35・4 (民間) 57・4 工学部
東広島市移転と同時に、東京のゼネコンから教授として着任しました。当初はとまどいを感じる日々でした。キャンパスの泥道を懐中電灯と長靴で通勤したり、野犬に追われたりしたのを思い出します。昨今は隔世の感があります。大学の価値基準も然りです。学園紛争時代罪悪視された産学の結びつきが、自己点検を経て連携へ、さらには第三者評価やアカウンタビリティーへと大転換を遂げた感があります。民間での経験を伝えることが責務と密かに念じてきましたが、地共センターでの勤務はまさに地を出すことでした。この十八年間またたくまに過ぎ去りました。燃焼し尽くした感があります。人生にいささかの悔いもありません。公私にわたり皆様には大変お世話になりました。統合移転が「孟母三遷の教え」になったか否かは別にして、新千年紀を迎え大学は大転換の時代を迎えようとしています。日本流を加味した新しい価値基準の創出へ向かって、更なる御健闘をお祈りいたします。
広大フォーラム31期5号
目次に戻る