楽しかった第二の人生
中 村 雄 治
(なかむら ゆうじ) 工学部第四類建設構造工学講座
〈部局歴〉
昭和34・4 (民間)
平成3・1 工学部
私は今から九年ほど前に民間会社を円満退職して広島大学に参りました。三十年余りの実務経験を買われて大学教授の道に入りました。初めのうちは両職場の文化の違いに戸惑うこともありましたが、今ではすっかり大学での生活に慣れました。私の研究テーマは地震や台風に強くてしかもコストの安い建築構造物を探し出すことで、理論と実験の両面から追いかけています。会社時代の経験を生かし、また学生達の教育もしながら、毎日楽しく仕事をしています。とくに学生達と一緒に実験や討論をしていると年を忘れてしまいます。また同僚の先生方には気さくな人が多く、研究で厳しい討論をしても後に残りません。昨年九月は日本建築学会の年次大会が広島大学で開催されました。一日最大八千人の会員が集まる大きな大会でしたが、広島大学をはじめとする中国地区の先生方の惜しみない努力ですばらしい大会になりました。私は大会委員長をおおせつかりましたが、大変良い思い出になりました。この四月から私の場合、第三の人生を踏み出すことになりますが、第一、第二の人生での経験を生かしてより良い社会の実現を目指して生きていこうと思います。
建築学会大会での記者会見(筆者左から2人目)
広大フォーラム31期5号
目次に戻る