広島大学での体験
三 國 英 實
(みくに ひでみ) 生物生産学部食糧管理学講座
〈部局歴〉
昭和39・10 (北海道大学)
48・9 (弘前大学)
平成元・4 生物生産学部
五十歳を過ぎるまで雪国で暮らした私にとって、西日本での生活はとても興味深いものでした。冬でも自転車に乗れることは大変有り難いことです。ウグイスの囀りとともに春が訪れ、ホトトギスが啼くと初夏となり、ヒグラシの声で盛夏を感じ、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえなくなると秋となります。ががら山を眺めながら、四季の移り変わりを感じとりながらの通勤でした。
農業経済を専門とする私にとって、こちらの農業の多面性を知ることができ助かりました。学生、院生と調査に出かける機会も多く、因島市では多種類の柑橘や野菜が年間を通して栽培されているかと思えば、高野町では青森と同じようなリンゴ生産が行われています。中山間地農業を守るための農協や自治体の活動も大いに勉強になりました。
アジアからの留学生と食糧・環境問題 を論じ合ったのもよい経験でした。日本向け豚肉輸出の多い台湾、エビや鶏肉輸出の多いタイ、野菜輸出の急増している中国などに調査に出かける機会を持つことができ、食糧流通研究の視野を広げることもできました。
十一年間という短い期間でしたが、広島大学での貴重な経験を大切にし、これからの人生に活かしていきたいと思います。
中国抗州「西湖」にて
広大フォーラム31期5号
目次に戻る