破滅への歩みと回復への選択
山 本 禎 紀
(やまもと さだき) 生物生産学部畜産科学講座
〈部局歴〉
昭和41・1 水畜産学部 54・4 生物生産学部
私は三十四年の広大生活を、教育と研究に専念でき幸せだったと感じています。確かに一度でも転勤できれば、より新鮮な生活ができたかもしれませんが、任期制を導入する必要性は実感できませんでした。最近、学長は指導力を発揮され、評議会の改組、教育研究費の傾斜配分、任期制の導入など、多くの構成員の意向に反した改変を行なおうとしています。理解できない点は、なぜ今導入する必要があるのか、これまでの何が悪く、変えることで何が具体的に達成できるのかということなのです。学長からの提案は改組や導入の方法のみで、肝腎な目的と目標の説明、大切な納得と合意を得る努力がなされていません。広大の行動は、時代の流れと文部官僚の専権的示唆に対する過剰反応で、他よりも多くの配分を得ようとするあさましいものとみなされています。この悪しき体質を断ち切るには、現状をよく観察、分析し、新たな道を発見する大学人らしい歩み以外にないと思います。
学部創立50周年記念シンポで
広大フォーラム31期5号
目次に戻る