赴任の思い出
三 宅 重 徳
(みやけ しげのり) 附属高等学校
〈部局歴〉
昭和37・4 (公立学校) 平成8・4 附属中学校
56・4 附属中学校 10・4 附属高等学校
58・4 附属高等学校
私が附属へ赴任したのは、一九八一(昭和五十六)年、四十二歳の年でした。公立高校で十九年を経て、教師としてのあり方や教科(英語)指導の面で節目を感じていた時機でもあり、心機一転の再出発でもありました。
折しも、英語科では、読解指導のための自主教材の改訂作業中であり、続いて、英語教育研究室の故垣田直巳先生のご指導の下、適切な英文用例に関する論文が英語教育誌に三年にわたって連載され、さらに、それを集大成した八百余頁の用例集が一九八九年に出版されました。
この編集作業は、私にとって、月々の研究授業や輪読会、そして教育実習等とともに、教師として自らを客観視せざるを得ない、苦しく、厳しい試練の場ではありましたが、諸先輩との触れ合いを通して貴重な多くのことを学ぶことができたように思います。
赴任から十九年、附属学校のあり方が問い直される中、当時の諸先輩の誇りと気概がなつかしく思い出され、この思いを、大切に継承していかなくてはならないと改めて痛感しています。
退官を迎えるにあたり、教師としての後半生を附属で過ごすことができたことを感謝し、附属が、歴史と伝統を基盤に据えて、二十一世紀に向けて益々発展することを心より祈念します。
出版記念会で英語科スタッフと(筆者後列中央)
広大フォーラム31期5号
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