自著を語る

『精神障害と歯科診療』
訳/浜田泰三,貞森紳丞
(B5版,173ページ)
6,500円
1998年/第一歯科出版


Psychiatric Disorders in Dental Practice
著者/M.David Enoch, Robert G. Jagger
1994年/Butterworth-Heinemann Ltd.



 本書はウェールズ・カーディフの精神科医と歯科医の共著による一九九四年初版本の翻訳である。
 かねてより、日常歯科臨床で、いわゆる「こまった」患者さんの対応には苦慮してきたが、先端技術は多くとも、心の問題に言及した歯科関係の書は皆無に等しかった。
日本には心や精神の障害に対しては、偏見が根強く、早期の適切な対応を妨げている。そのような状況であったので、精神医学の成書を我々歯科医が勉強することに加えて、歯科と精神障害をとりあげた書は、とても意義深いことと思い訳した。
技術系の分野に比べ、精神や心のような無形なものの表現ははるかに難しく、必ずしも所期の目的に達していないのではないかと危惧しているが、ともかく本書がこの分野の解決の突破口となることを期待している。


プロフィール        
(はまだ・たいぞう)
☆一九七三年 大阪大学歯学部大学院修了
       歯学博士
☆一九七八─一九七九年 英国留学
☆一九八一年 広島大学歯学部教授
☆一九九六年 エアランガ教育勲章受賞
☆一九九九年 IADR 最優秀科学者賞受賞

(さだもり・しんすけ)
☆一九八六年 広島大学歯学部大学院修了
       歯学博士
☆一九九○年 広島大学歯学部附属病院講師
☆一九九三─一九九四年 英国留学
☆一九九八年 広島大学歯学部助教授





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