生物生産学部


門出を祝う

生物生産学部長 宮澤 啓輔


 生物生産学部を卒業し、生物圏科学研究科を修了する皆さん、おめでとうございます。
 新たな世界に向けての出発を心からお祝い申し上げます。
 本学部、研究科において皆さんは科学的知識を基礎に生物の生産力と多様な機能を利用・開発して、食糧を始めとする有用物質を生産し、また豊かな地球環境の保全に努め、人類の福祉に貢献するという理念のもとに学問を学び、その本質に触れまたその基礎を身につけたと思います。今後、社会に出て働く、あるいはさらに進学して学問研究を深化させる等進路は様々ですが、これまで皆さんが学んだことは皆さんの専門であり、人により濃淡はありましょうが、これをよりどころとして活動してゆくことになると思います。
 現在、社会の状況は大変厳しく、また急速に変化発展しております。それぞれの進路を決めるに当たっても、苦労も多かったと思います。その一方、世界は環境の保全と食糧の確保を緊急の課題としております。これらの分野を専門とする皆さんの近未来における任務は重要です。学問、研究、技術の進歩は急速ですが、ぜひ自信をもって自分を鍛え、専門を基礎とし、また深化、拡大してどのような問題にも対応できるような力量を蓄え、社会に貢献して下さい。また絶えず心身ともリフレッシュし、磨き、充実した人生を送られんことを願います。
 門出にあたり、先人の次の言葉を贈ります。
 志、恒、識。
 志、すなわち人生において目的、目標をもって下さい。恒、その目的に向かって恒に精進し、専門性を磨いて下さい。識、その上で専門性に基づいた広い視野、見識を持つように努めて下さい。  皆さんの今後の活躍と健康を切に祈ります。

 

楽しんで何が悪い!?

生物生産学部四年 塚村 慶子


 私はここ広大で、幸運にも「好奇心」に出会うことができました。特に海洋生物生産学コースに配属されてからの二年半は、一日一日が惜しいほど充実していたと思います。最高の友達と、自分の「好奇心」の求めるままに勉強できたことは、とっても幸せなことでした。私は今、「好奇心」の更なる満足を求め、鹿児島の口永良部島の海で魚の行動を観察しています。滞在している家は、雨漏りのする(ひどい)あばら家で、野良猫と生きるか死ぬかの食べ物の取り合いをくりひろげている日々ですが、今まで誰も知らなかったことを世界中で一番に知ることができるかも! それだけで十分楽しいのです。そしてその事実を、多くの人に伝えられた…。そんなことを考えながら、四年間の総仕上げである卒論を書いている今日この頃です。

魅了してやまないソメワケベラ
 

 

ひと

生物生産学部四年 大坂 隆志


 この学部を選んだことに違和感を覚え、違う方違う方へと行っているのではないかと思いながらも、あと一ヶ月で卒業できそうだ。いま思うことは、一番大切なものは友人だということ。教科書から得たものより、友人たちから得たものの方がはるかに大きい。友人たちに比べれば、教科書なんて全然たいしたことはない。ちょっと変わった奴がいたり、つらい時に助けてもらったり、彼らがいなければ自殺していたかもしれない(大げさだけど)。人がいて、生きていけるのだろう、と今になって思う。
 友人たちに感謝 !

 

満足度99%!!

生物生産学部四年 谷澤 春奈


 ここはどこ!? カーテンを開けた途端、目に飛び込んできた辺り一面の雪景色。これぞ西条の冬。と思いながらいろんなことが頭をよぎる…。宿も決めずにリュック一つで行ったタイ、どこまでも続く黄金色の小麦畑に思わず叫んだオーストラリア畜産実習(私は食資源機能学コース)、グランドキャニオンから昇る朝日を見たあの感動。そして今、遠足気分を味わいながらサンプリングで海に行き、実験室で一日の大半を過ごす日々。時には無茶をして失敗もしたけれど、バイトに旅行・遊びに研究、めいっぱい楽しんだこの四年間で、入学当時はキャッシュカードすら使えなかった私が、一回りもふた回りも大きくなった気がします。やりたいことはほとんどしたけれど、唯一の心残りは豊潮丸に乗れなかったこと。豊潮丸で太平洋を航海する変わりに、この四月から社会という大海原に全力で繰り出します。
 最後に、すべてにおいて私の元気の源となってくれた最高の友人と先輩、先生方に感謝。

 



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