総合科学部

入学おめでとう

総合科学部長 江口 正晃




 西暦二千年という記念すべき年に皆さんが本学部へ入学されたことに対し、心から祝福します。しかし一方で、ここまで来られたのは、自らの努力だけではなく、皆さんを支えてきてくれた人々のお陰であることも忘れないで欲しいと思います。
 さて、社会は現在大きな変革期にあり、これまでと違って、広島大学卒という履歴ではもはや通用しなくなっており、人材の質の高さを評価する時代になりつつあります。従って、これからは本当に将来を見据えた勉強が必要となります。
 すでに皆さんも知っているように、総合科学部は、総合的判断力を養う教育と、学際的に新しい研究領域を創生していくことを目指しています。社会が複雑に変化しているだけに、その教育理念で育った人材が社会に大きく貢献できると我々は信じています。皆さんのために用意された新しいカリキュラムの下で、自分の特性を見い出し、幅広い視野と、しっかり生きていける基礎力を身につけることを望みます。

 

改めたことと堅持したこと

総合科学部教授 朝倉 尚

 総合科学部は装いを改めました。が、教育理念や目標、特に学際性・総合性・創造性の追及については不変です。既成の学問領域にとらわれない、新構想学部として日本の大学教育界をリードするという使命は堅持いたします。
 一学部一学科、文系でも理系でも受験が可、文転も理転も可、垣根の低い学部であるということから選択された方も多いのでは。われわれは、いかにして期待に応えたらよいのか。
 プログラム制に移行しました。意欲的に自主編成プログラムにも挑戦して下さい。「問題の発見(知)、問題の背景の理解(動)、問題解決の道筋の洞察(説)ができる学生」、さらに「理系に強い文系学生、文系に強い理系学生」としての大成を願っております。

 



「教育プログラム」とは

総合科学部助教授 谷 紀夫

 目的 総合科学部では、平成十二年度から六プログラムカリキュラムがスタートします。学生の興味の多様化や学問領域の改変に柔軟に対応することが目的で、これまで以上に、総合的・学際的領域を開拓し、「問題が発見できる」「問題の背景が理解できる」「問題解決の道を洞察することができる」優れた創造力と積極的に学ぶ姿勢を身につけた人材の育成をめざします。
 仕組み 総合科学部生は、入学後一年間は、他学部生と同様に、主に教養的教育を履修し、二年生からは、環境共生科学、地域科学、人間科学、言語文化科学、情報行動科学、創造科学の六プログラムから一つを選択し、その中で各自が弾力的な履修計画を立てて学びます。また、学生独自の自主編成プログラムを立てることも可能です。
 開設 学部教育を本格的に学ぶために必要なリテラシー教育の一貫である 「超域科目」授業として、文科系理科系の複数教官がチームティーチングを行う「超域研究」、論文の書き方・発表の仕方を学ぶ「展開研究」を新しく開設します。

総合科学部 教育プログラム 概念図


 






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