教育学部

新しい学部・研究科で自己実現を思う存分に
教育学部長 利島 保


 教育学部と大学院教育学研究科は、昨年度までの教育学部・教育学研究科と学校教育学部・学校教育研究科が改組・統合され、新たな学部・研究科として今年度から誕生しました。
 今年度入学の皆さんは、入学試験の時に受験した学部・研究科と違った学部・研究科に入学されたことに戸惑いがあるのではないかと思います。しかし、受け入れ側としては、新入生諸君のそういった戸惑いを払拭すべく、諸君が本学部や研究科に入学してよかったと感じられる教育研究環境を整える努力をこれからも続けたいと思っております。
 広島大学と言えば「教育」が代名詞のように、巷間の評価に応えるため、新しい教育学部・教育学研究科の目標は、昨年度までの両学部、両研究科が果たしてきた伝統と実績を引き継ぎ、さらに、教育の理論と実践を「学び」という鍵概念により統合する新たな教育課程を組むことで、学校教育のみならず生涯学習という二十一世紀の教育課題に貢献する人材を養成することです。
 近年、教育界は多様化と変革により、教育本来の持つ人間形成機能がともすれば動揺し、学校教育のみならず人間の教育力自体への不信が蔓延しております。それに拍車をかけるように、少子化による教員需要の減少が、教育を志す若者の教員離れを誘発しており、教育学部冬の時代と喧伝されています。
   しかし、これから先、人類が人間としての尊厳を保ちながら存続していくには、教育が人間にとって唯一の営みであることは間違いないと思います。また、人は教育によってのみ生息環境と共生できる未来を創造できると言っても過言ではないでしょう。
 まさに開かれんとする二十一世紀の扉を前にした新入生諸君が、本学部・研究科で新たな教育理念や方法を創造する最初の機会を持てるという事実は、間違いないことです。それ故に、これを契機に諸君自身がこの学部・研究科の将来を決定付ける成果を、自己実現という形で示していただきたいのであります。あなた方が、本学を卒業や修了される時、教育という知恵で自分がなしうるものを体得でき、その力量を自他共に認めるようになってもらいたいのです。
 

先輩から

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
教育学部四年生  矢島 由紀子


 それぞれの希望を胸に入学されたことと思います。大学は自分自身の興味に応じて様々なことを学べる場です。我が教育学部生も多様な専門領域の教官のもとで、一人ひとりの夢に向かって日々、学んでいます。図書室や情報室といった施設も整備されていて、自分自身の興味・関心に即して資格免許を取得したり、留学することも可能です。学習環境は恵まれていると言えます。
 また、大学では専門的学問の修得はもちろん、それ以外にも自分自身の視野を広げる場がたくさんあります。私自身は現在、熱気球サークルに所属しています。サークルの大会等の遠征で各地に行き、幅広い年齢層の方と交流することで、机に向かうだけでは学習できない多くのことを経験できたと思います。大空を飛行することで日頃のストレスが解消され、また次の課題へ取り組む意欲がわくこともよくあります。
 新入生の皆さん、四年間を充実したものにするかどうかは、皆さん一人ひとりにかかっています。これからの学生生活、ぜひいろんなことに挑戦してみてください。
熱気球サークル有頂天・矢島さん提供
 
 
大学生活での三箇条
学校教育学部二年生  今永 泰生


 新入生の皆さん、広島大学へようこそ。長い受験生活を終え、大学生活への期待を膨らませていることでしょう。そこで、想像以上に自由な大学生活を迎える上で、みなさんの心に留めておいてほしいことが三つあります。
 一つは、時間を有効に使うこと。人生においても大学生活においても限りのある時間です。無為に過ごすことなく、自分のやりたいことを見つけ、それに費やすことで学生としての喜びを感じたいものです。また、視野を広げるために、様々なことに挑戦するのもよいでしょう。次に、自分の行動に責任を持つこと。大学では規則に縛られることが比較的少なく、自由な生活を満喫することができますが、その裏側には自己責任という言葉が隠されています。責任を持たない自由は、大学生活を虚しいものにしてしまうでしょう。最後に一つ。冬は非常に冷え込む東広島ですが、コタツの電源は切り忘れないように……。
 みなさんの大学生活が素晴らしいものになることを願っています。

 



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