生物生産学部


入学、おめでとう

生物生産学部長 宮 澤 啓 輔


 生物生産学部では、生物に関する科学的知識を基礎に生物の生産力と多様な機能を利用・開発して、食糧を始めとする有用物質を生産し、また豊かな地球環境の保全に努めることにより、人類の生活向上に貢献できる人材を養成することを目的として、実学的な研究・教育をしております。このため、二年次の後半に、六つの専門コースに別れて、各専門分野の学習を進めることになります。また学部の後には大学院生物圏科学研究科が設置されており、さらに研究を深めることができます。現在、世界は環境の保全と食糧の確保を緊急の課題としており、これらの分野を二十一世紀において担うのは皆さんです。積極的に学問に取り組んで頂きたいと思います。
 これから始まる学生生活は、皆さんの人生においてエネルギーと希望に満ちたかけがえのない大切な時期であります。生涯の友人を得、幅広い教養を獲得するとともに、各自が志す分野において個人の実力、すなわち基礎的学力と応用的展開力、さらには問題の探索やその解決をはかる能力を身につける時期であります。そのような一人一人の能力が期待される時代でもあります。ぜひ生物生産学部においてその基礎を作り、積極的に新しいことに取り組み、実り多い生活を送って下さい。



 

「エコのミレニアム」への船出を

生物生産学部新入生チューター長 田 中 秀 樹


 新たなミレニアム(千年紀)の始まりに、生物生産学部に入学された皆さん。新たなミレニアムは、生物生産学部の時代といってもよいと思います。
 西暦二千年から始まるこの千年は、「エゴのミレニアム」に続く「エコのミレニアム」になるだろうという予測があります。今までの千年は、人間活動が自然の物質循環を圧倒し、人間のエゴが突出した時代でした。続く「エコのミレニアム」とは、環境の千年であり、自然と人間との共生可能性をさぐる千年です。そして、私たちの生きている現代は、自然との共生可能な「循環型社会」への助走期にあたります。
 循環型社会は、農漁業を基盤としてのみ可能な社会です。大地や海の恵みを活かす農漁業は、水の循環と深く関わり、生ゴミや糞尿のたい肥化も含め、物質循環の営みです。大地や海との関わりを深く持つ農漁業は、環境と調和した生産活動の社会的基礎となります。
 生物生産学部で学び、「エコのミレニアム」へ、共に船出をしようではありませんか。

 



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