大学院国際協力研究科


「アジアの中の日本」を目指して

大学院国際協力研究科教授 斎藤 公男


 大学院国際協力研究科(IDEC)への入学おめでとう。当研究科は、平成六年に発足した比較的新しい研究科で、開発途上国における諸問題の解決に取り組むことのできる人材の育成を目指しています。入学生の専門分野、国籍、年齢などさまざまです。現在、研究科の外国人留学生はアジアを中心に百三十六名で、これは在籍学生数の四十五%に相当します。大学院では、自らの学問分野の専門性を深めるとともに、それ以外の分野にも幅広く関心を持ってほしいと思います。
 二十一世紀はアジアの時代とよく言われますが、今の日本はアジアの一員とみなされているでしょうか。また、我が国のODA(政府開発援助)は今や世界最大の規模ですが、我が国の開発途上国への援助が正当に評価されているでしょうか。我が国がアジアで取り残されないためにも、皆さんはアジアからの留学生とも身近に話し合い、それぞれの国の習慣や文化を理解し、心を開いて話のできる友人を一人でも多くつくって下さい。研究科で学んだ人たちと、将来アジアを舞台に共に働いたり、国際社会で活躍できる人材が、一人でも多く育っていくことが研究科の目標であり、また「アジアの中の日本」に近づく一歩だと思います。
 皆さんの今後の活躍を期待しています。

 

日本の中にある世界へようこそ

教育文化専攻博士課程後期 ヌ ヌ ウェイ(Nu Nu Wai)


 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ日本の中にある世界「大学院国際協力研究科」へ。
 大学院国際協力研究科は「日本の中にある世界」です。この大学院には、英語の堪能な先生方や学生が多く、また、様々な国からの留学生が多くいます。教官・学生の研究分野は、教育・文化・経済・生物・工学などにわたり、世界の発展に貢献する人材を多分野にわたって育てています。また、多様な授業が用意されており、学生間の交流もあるので、専門以外の分野や国に関する知識も得やすくなっています。このような点で、私は、日本の中に「世界」・「国際」を感じています。特に、この大学院の教官、スタッフ、学生は、心の温かさを持ち、互いに協力しあっています。ですから、「協力」研究科という言葉もピッタリです。
 これらの特徴をもった日本の中にある世界「大学院国際協力研究科」へ入学されたチャンスを生かして自分の研究だけでなく、国際理解を深め、世界の平和を目指して皆で協力・努力しましょう。

国際協力研究科の前で(筆者右から2番目)
 

 

ようこそIDECへ

開発科学専攻博士課程前期 周 密


 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ、国際協力研究科へ。
 皆さんはそれぞれの専門分野で、国際協力という共通の目標を目指してIDECに入学されたと思います。皆さんの入学で、IDECというユニークな共同体がさらに豊かになることを期待しています。
 この共同体は、素晴らしい先生方、親切な事務担当者、それに経験も年齢も多様な学生から構成されています。青年海外協力隊員をしてきた人や、インドネシア政府の官僚、海外の大学で教師をしていた人などさまざまです。学生の半分近くは留学生なので、日常における積極的な交流は、皆さんが将来大きな国際舞台に立つための予行演習となるでしょう。勉強に関しても、自分の専門分野と違う授業に出て、その分野の専門家と熱く議論を交わせるのがIDECならではのメリットです。
 留学生の皆さんは、言葉と習慣の違いもあって、大きな不安を抱いているかもしれませんが、留学生の一人一人に勉強、生活をサポートするチューターがつくだけでなく、大学の留学生会や、先輩の留学生たちも頼りになるはずです。
 IDECで過ごす日々が、皆さんの夢に向かう大きなステップとなることを心から祈っています。

酒祭りで中国四川省の火鍋を紹介(筆者左から4番目)
 

 



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