学校教育学部長 高橋 超 卒業・修了おめでとうございます。 皆さんは、それぞれのスタイルで、四年間あるいは二年間、さらには六年間の広島大学での生活を送られたことと思います。二〇〇〇年という節目の年ではありますが、卒業や修了は、これから始まる長い人生の中では「取るに足らない」出来事かもしれません。しかし、授業やゼミ、クラブ、アルバイト等、大学生活の中で皆さんが体験した「知」や「人」との様々な出会いは、皆さん一人ひとりの「らしさ」を確立していく上で何にも代えがたい貴重な経験であったのではないかと思います。 政治・経済を始め、社会の変化は、人類がかつて経験したことがないほど大きく、かつまた急激なものです。こうした社会の変化の中にあって、皆さん一人ひとりが豊かな自己実現を果たしていくためには、大学を含めた長い学校生活の中でひょっとしたら喪失しかかっている「自分らしさ」を回復し、これから出会うであろう多くの人間と豊かな人間関係を実現できる「人間らしさ」を創造していくことではないかと思います。広島大学での皆さんの生活は、その基盤になるものと確信しております。 これから始まる新しい生活の場での皆さんのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 |