歯 学 部


チャレンジ精神
卒業生に贈る言葉

歯学部長 長坂 信夫


 人生は何事もチャレンジ精神がなければ、成功はない。人は誰しも安全で易しい方を選びがちである。それは、誰でもできることであるので、当たり前の結果しかでない。人は平凡で普通であれば良いと考えている人はそれでよい。しかし、人より秀でるには、人より努力し、創造力豊かにし、常に真剣に取り組み、実行する姿勢が必要である。言うことは易しいことであるが、誰しも失敗を恐れ、危険を冒してまで実行する勇気を持っているものは少ない。それだけに価値があるのである。人生は命がけで取り組んだとき、はじめてその結果が出る。  命がけとなれば、失敗は許されないために、多くの情報、緻密なプランと理解者を得ることに心がけるものである。それに、何時も独創的思考力を持ち、それが価値あることでなければならない。そして、人の真似では意味がない。また、万全を尽くした結果失敗しても、それなりに評価される。終えた後の充実感は大きいものである。  今、社会に立ち向かう卒業生の諸君達には、若さがあり、希望がある。それに、チャレンジ精神が欲しい。  最後に広島大学および歯学部を卒業したプライドを持ち、各地で頑張って下さい。     二〇〇〇年のご卒業おめでとう


 

それぞれの道を歩む

歯学部学生  小谷 泰子


 大学の広さに驚いた西条時代。新カリキュラムに戸惑いながら、医療人としての自覚を高めた霞キャンパス。あっという間の六年間でした。今思えば、本当にたくさんの人々に支えられてきました。これからの日々の努力が皆様への恩返しにつながることを信じ、それぞれの道を歩んでいこうと思っています。本当にありがとうございました。  

 

素晴らしき同級生と

歯学部学生 長 繁生


「本当に早かった。」それが、故郷である福岡から広島に出て来て六年間を終えようとしている今の心境である。その大学生活を素晴らしい同級生と共に過ごせたのは幸せな事であった。クラブ活動でも、良き先輩や後輩に恵まれた。又、キャプテンとしての経験やクラブで野球を通して学んだ事は、これからの人生において大いに役立つ事と思う。私の大学生活を振り返り、お世話になったすべての人に対して感謝の気持ちで一杯である。

 

学んで遊んで

歯学部学生 毛利 吉宏


 いよいよ自分にも卒業の時が近づいた。広大生として過ごした年月は、僕の人生に色濃く残るものになるだろう。決して順調ではなかった僕の学生生活の中で、励まして下さった先生方、そして友人達に感謝します。

 

あしたから・・・

歯学研究科博士課程 西田 哲也


 二○○○年二月一日午後五時二十五分、たった今、完成した学位論文が、目の前にあり、あとは製本のため、印刷会社の人に原稿を取りにきてもらうだけとなった。百数頁の論文を書き終えたあとにこの文章を書くのは、少し気が滅入るが、この依頼がきたときに、この時、この瞬間に書くことを決めていた。それが一番よく大学院生活を振りかえれるに違いないと考えたからだ。ふぅーと大きく深呼吸し、まわりを見ると、コンピューターの周りには、風邪薬、眠気さましのガム、栄養ドリンクの空き瓶、四年間の実験結果のプリント、書き損じの論文が散在している。現大学院生の人達、また、今から大学院に入学しようとしている人達にも数年後必ずやってくるこの瞬間である。達成感?感謝?希望?どれもピンとこない、ただ脱力感のみである。ぼぉーと窓の外を眺め一つだけ思うこと『さあ、明日からなにをしようか。・・・』

 



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