VBLからの発信
Venture Business Laboratory


 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)が産声を上げて今年で五年目になります。この間様々な形でVBLの情報発信を行ってきましたが,昨年末から今年始めにかけて二つの大きな行事を行いました。一つは昨年11月に広島大学で開催された「アントレプレナーセミナー99 IN中国」で,一つは今年1月から2月にかけての東広島地区のケーブルテレビ「KAMONケーブルテレビ」によるVBLの研究紹介です。


アントレプレナーセミナー99IN中国

文・ 山 根 八洲男(Yamane, Yasuo)
  工学部教授
 このセミナーは「若者社会を作ろう」を合言葉に中小企業総合事業団が音頭をとって全国を九ブロックに分けて開催された一連のセミナーの一つですが、各セミナーはそれぞれ独立した企画として組まれ、中国地域では通産省の外郭団体である(財)ベンチャーエンタープライズセンターと広島大学VBLとの共催で平成十一年十一月十六日午後一時から五時まで学校教育学部の大講義室で、また五時から六時までは会場を北食堂に移し交流会を開催しました。
 七月始め中国通産局からセミナー開催の打診を受け、二つ返事で引き受けたものの、教室の手配の段になり三六○名収容の学校教育学部の大講義室しか空いていないことが判明し、果たしてこの教室が埋まるだけの参加者が集まるだろうかと心配しましたが、当日は開場時間が近づくにつれ続々と人が集まり、開会の挨拶で壇上に立ったときには教室はほぼ満員の盛況でした。これは講師の方々の人選や交渉などにご尽力いただいた中国通産局のおかげと感謝しています。
 基調講演は「二十一世紀のリーダーは私たちだ〜十七歳の挑戦〜」と題して十五歳でインターネット関連の会社を設立された家本賢太郎氏で、ご本人はこのとき十七歳、話も体験に基づく骨のある内容で参加者の感銘を呼んでいました。基調講演に引き続き(有)パーパスの真木恵、(株)レクサー・リサーチの中村昌弘、(株)ジョブウェブジャパンの佐藤孝治の四氏に家本氏を加えた五名のパネラーによるパネルディスカッションがVBLの長野教授をコーディネーターとして開催され、会場から数多くの質問が出されました。その中で、「立ち上げたときの人集めはどうしましたか」と言う質問が今でも心に残っています。この質問は会場の学生から出た質問で、後で本人に聞いてみると今は夢だがベンチャービジネスを興したいと語っていました。
 VBLではこれまで学部学生向けのベンチャービジネス論や大学院生向けのベンチャービジネスラボラトリー特論などの講義を通じて、先駆者の話を聞くというプログラムを提供してきましたが、今後はベンチャービジネスを指向している学生に対し彼らを支援するためのどのようなプログラムが提供できるのかを検討する必要を痛感しました。


KAMONケーブルテレビのVBL取材・放映

 東広島地区をサービスエリアとしているKAMONケーブルテレビで、VBLの紹介をトピックスとして取り上げたい、という話が持ちかけられ、平成十二年一月下旬に取材を受けました。新X線源の開発からマルチメディア双方向教育まで七つの研究グループが「素人にも分かりやすい解説」を念頭にそれぞれ三十分以上の時間をかけて説明いたしました。放送では大幅に編集され十四分間となりましたが、一月二十六日から二月九日までの間、十数回にわたり繰り返し放映されました。どこまで皆さんにご理解いただけたか心配なところもありますが、広島大学の地元東広島の方々にVBLでどんなことを研究しているのかというPRに多少なりともお役に立てたのではと思っています。

KAMONケーブルテレビで放映されたVBL



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