世界の大学シリーズ52

ペラデニヤ大学 スリランカ民主社会主義共和国




ペラデニヤ大学の大講堂

芸術学部

解剖学のSamaraweera先生(右)とBanneheke先生(左)(筆者中央)

歯学部の学生

新しく建設された歯学部

新しく建設された歯学部附属病院

 私は,平成10年9月から12月までの約3カ月間,国際協力事業団(JICA)より肉眼解剖学の専門家として,スリランカ唯一の歯学部であるペラデニヤ大学歯学部に派遣されました。
 ペラデニヤ大学は,医学部,芸術学部,農学部,工学部,法学部,歯学部などを有し,スリランカでは最も歴史のある大学で,スリランカ一広いキャンパスを持っています。同大学歯学部では建物および設備ともに老朽化していましたが,日本の政府開発援助(ODA)により,1998年5月に新しく歯学部と同附属病院の建物が完成しました。ペラデニヤ大学はコロンボの東約100kmのキャンディの郊外にありますが,キャンディは,その昔,イギリスの植民地になるまでは,キャンディ王朝の都として栄えていました。赤道直下とはいえ,標高700mの山あいにありますので,それほど暑くなく過ごしやすい気候です。
 スリランカといえば紅茶ですが,この紅茶はキャンディを中心とした山岳地帯で栽培されています。滞在中,紅茶を飲む機会が何度もありましたが,驚いたことに,スリランカではレモンティーなるものは存在せず,現地の人は,ミルクと砂糖をたっぷり入れて飲みます。
 大学では,私は解剖学スタッフの指導と標本作り,学生の解剖実習の指導を行いました。学生は大変まじめでよく勉強します。また,大学の授業が英語で行われているため英語が上手です。英語で一つ気付いたことに,敬称であるSirをよく使います。学生は,礼儀正しく,先生のことをSirと呼びますし,Good morning, Sir.とか,Excuse me, Sir.と声をかけてくれました。
 今回の滞在は私にとって貴重な経験であったとともに,微力ではありますが,国際貢献の一翼を担うことができましたことを大変満足しています。

 歯学部口腔解剖学第二講座 里田 隆博 (さとだ・たかひろ)      
 

 

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