編集後記
第32期の最初の号をお届けします。特集は「国立大学の法人化を考える」です。行政改革の一環として国立大学を独立行政法人にするという動きが出て以来、この問題をめぐって、多くの人々によって、さまざまなかたちで議論がなされてきました。しかし、本誌では、大学計画委員会の井内氏の論考(第31期2号)を除いて、独立行政法人化問題が正面切って論じられたことはありませんでした。事態が非常に流動的で、なかなか方向が見えなかったためでしょう。実際、本号発行の前後(五月下旬から六月にかけて)、事態が大きく進展するだろうと言われています。とはいえ、広報委員会としては、広島大学を含む日本の国立大学にとって最も重要な問題である法人化問題を、一度は本誌できちんと議論しておきたいと考えて今回の特集を企画しました。特集は、原田学長に対するインタビューから始まって、佐藤・牟田・岡本三氏の力作論考から成り、合計十ページにもおよぶ大きなものとなりました。事態の展開を踏まえて、御精読下さい。
本号には多くの投稿記事を掲載しました。投稿原稿について、主として形式的な面で、広報委員会として注文をつけざるを得ない場合もありますが、原則として掲載させていただく方針です。本学ほどの規模の大学であれば、学生・院生諸君から教職員各位まで、文字通り多士済々、多種多様なご意見があろうかと思います。ぜひ、別掲「投稿規定」にそくして、本誌にご投稿いただき、本誌を広島大学における生き生きとした議論の広場=フォーラムとして活用して下さい。
なお、本号から巻末に英文目次を掲載することになりました。広報委員会の責任で作成したものですが、時間的な制約もあって、執筆者の校閲を経ているわけではありません。意を尽くさない部分もあろうかと思いますが、日本語を解さない人々にとって、本誌が少しでも親しいものになればと願っています。
(第32期広報委員会委員長 成定 薫)
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