オープンクラス「情報化社会の最前線から」 



教務委員会
学生就職センター
情報教育研究センター

 情報技術、ネットワーク技術は現在最も激しく技術革新が行われている分野です。我々の日常生活の中でも、電子メール、WWW、携帯電話などの形で情報化革命が進んでいることは皆さんも実感されていると思います。
 この急速な情報化の流れは、社会のこれまでの常識もどんどん変えていき、企業の戦略や価値観にも大きな影響を与えています。
 このような情報化社会の最前線で活躍していらっしゃる方々を講師として広島大学へお招きし、今何を考え、これからどのように行動しようとしているのかを語っていただき、これから社会に出て行く学生の皆さんに情報化社会の動きを知っていただくために以下のようなオープンクラスが開かれました。

 



二○○○年一月二十日
「インターネット時代の企業経営」
富士通株式会社・ネットワークサービス本部主席部長   京増 弘志 氏
 ニフティサーブ常務、ビジネスキャリア協会理事、愛媛県造園業組合ワーキング委員長などの多彩な活動の経験をお持ちの京増氏は、ネットワーク社会でビジネスモデルがどのように変わったのかを、初心者にも分りやすいように具体的な事例を挙げながら説明して下さいました。ユーモアあふれる鮮やかなプレゼンテーションに多くの聴衆は時間の経つのを忘れて聞き入りました。

二○○○年二月三日
「ネットビジネスとともに成長─サンマイクロシステムズのビジョン─」
日本サン・マイクロシステムズ(株)製品事業統括本部ワークグループ & ネットワーク・サーバー事業部アドバイザリ  岩野 秀仁 氏
 「the Network is the Computer(ネットワークがコンピュータだ)」とのサンの信念のもとに、「Anyone, Anytime, Anywhere, on Any device(誰でも、いつでも、どこでも、どんな機器でも)」情報化技術が利用できる時代になりつつあることを、iMODEとサンのJavaの技術の関係などを例に挙げながら熱く語って下さいました。


二○○○年二月十日
「Think different─アップルの今まで、そしてこれから」
アップルコンピュータ(株)ビジネス営業部部長  有本 一 氏
 アップルの有本氏は、アップルのどん底の時代から、単なるビジネスの道具ではなく、独自の文化を主張するコンピュータ、マッキントッシュが再び世の中をリードするようになるまでの道を、氏自身の体験をもとに語って下さいました。
「Think different」の旗印のもと、アップル社内の熱気と、スティーブ・ジョブズの大きさを強く感じる講演でした。





理学部数学科三年生(現四年生)のU君は、今回のオープンクラスが契機となって、以下のような体験をしたそうです。
某月某日
 今日はオープンクラスとかいうものがあるらしい。こんなもの、去年まであったかな。「インターネット時代の企業経営」というタイトルは、僕が今すごく興味がある「e-ビジネス」の話と関係しそうなので行ってみよう。
某月某日
 この間のオープンクラスの後に、僕のアパレル関連のe-ビジネスのアイディアをぶつけてみたら、それならT社の社長のDさんを紹介してあげようと言ってくれた。さっそく詳しい提案のメールを書いてみよう。
某月某日
 なんと、D社長が広島へ来て下さって、Kさんも交えて相談してくれることになった。温めていたアイディアを本当に事業化できるかもしれない! しかし、これまで何度かいろいろな所で提案してみても、なかなか相手にしてもらえなかったのに。大学での講演のときに、学生としてお話してみたので、お互いに信頼感を持って話すことができたためかもしれない。もし、そうならこういう機会をもっと拡げれば、他にも広島大学の学生でe-ビジネスなどの事業化に興味がある人はいるんじゃないだろうか。



講師の話に聞き入る聴衆

講演後の講演者と学生たちの質疑応答


以下は、講演終了後のアンケートに寄せられた参加学生の声です。

各会社三者三様でおもしろかった。
同じような分野でもこれだけ考え方や精神が違うというのは驚きだった。

広島大学は、立地の面では社会的刺激の少ない場所にあると思うので、このように企業の最前線で活躍している人の話を聞くのは良い刺激になる。

実際に企業内の人の話なので大変説得力があった。学生である自分と企業の考え方のずれを感じ、将来社会に出ていくことを自覚して、多くの情報を仕入れて、将来を見据える目を養いたいと思った。

“Think different”とのコンセプトに基づき、既成概念とは全く異なった観点で販売戦略を展開し、どん底からの復活を果たしたアップル社の戦略を拝聴することにより、普段の学生生活からは得られない「現場の声」を聞くという貴重な体験をすることができた。

大学に閉じこもって社会から離れているので、社会の風を受けるこのような企画をお願いしたい。


 
広大フォーラム32期1号 目次に戻る