2000字の世界(37)
肌荒れからの逃避行
文・ 濱 田 泰 栄(Hamada, Yasue)
総合科学部庶務係
●最近肌荒れがひどくって
これがこのところ口癖のようになっている。実は肌荒れしてなかった時期なんてあったのかどうかさえも分からないほど、いつも肌荒れには悩まされているが、度合いでいえば確かに最近の荒れ様は凄まじい。皮膚科に行ってみても、「なるべくストレスを貯めないように…」とか、「刺激物はなるべく摂らないように…」くらいのアドバイスしかもらえないのだが、そうそうストレスも貯めている覚えもないし、刺激物を摂りすぎている覚えもないし、どうしたらいいというのだろうか。
しかし、一体どこに原因があるのだろう。原因を直ちに究明して、つるつるの素肌への第一歩を踏み出したいところである。ところが、なかなか「これ」という原因がわからず、いまだにこの口癖とは縁を切れないでいるのだ。
原因を一つに絞れないのは、少しだけれども沢山の要素が複雑に絡み合っているからかもしれない。これがスパイスならば、少しずつで沢山のスパイスを調合して美味しいカレーでもできるところであるが、肌荒れの原因が複雑に絡み合ったところでどこにも美味しい効果など現れようはずがない。私の肌荒れについては当分治りそうもないが、ストレスと刺激物について、ちょっと考えてみたことを以下述べてみようと思う。
●刺激とストレスをどう受けとめるか
ストレスは精神的なもので、私の場合、予期せぬ事が起こったり難しいことを背負い込みすぎると次第にストレスが貯まっていったりするらしい。つまり、自分に対して外部から何らかの働きかけがあったときに生じるものだと言えると思う。刺激物の方は、コーヒーを飲み過ぎたり、油ものを食べすぎたりすると身体に文字通り刺激を与えて、体調に何らかの影響を及ぼす。そう考えると、ストレス、刺激物はどちらも私の心身に外部から「刺激」を与え、私の心身に変化をもたらすものだと言えるだろう。
ところで、一概に「刺激」と言っても、蚊に刺されたり、お尻をつねられたりする物理的なものはもちろん、「知的刺激」等、内面に直接働きかけるものもあり、様々である。そして、内面に働きかける刺激には、良い刺激と悪い刺激という分け方もある。例えば、「こうすることがあの子の良い刺激になってくれれば…」という刺激がある一方で、「変にあの子を刺激しないでよ!」という刺激もある。つまり、物理的刺激と違って精神に働きかける刺激は、受け止め方でずいぶん違ったものになるようである。
このように、刺激は我々の身体に異変をもたらす厄介なものであるが、そうかといって人間は外部からの刺激なしでは生きられないことは確かであり、例えば、外界と没交渉に自分自身の内面世界のみで生きていくことなど到底不可能であることは、疑いようがない。刺激に良し悪しがあるのではなく、捉え方で良くもなり、悪くもなるのであれば、「どんな刺激を受けたか」以上に、「どのように刺激と対処したか」がより大切なことだと思う。私は、人間は様々な刺激を吸収しながら、また、ぶつかりながら成長していくものだと思っている。そして、経験の深浅はその人が処理した刺激の度合いや、「いかに」処理したかによって決定するものだと思う。
●読書とアルバイトから学んだこと
そこで、今までに私の身に起こった刺激と現在起こりつつある刺激について考えてみた。
現在の私を形成した内的刺激の主なものと言えば、学生時代の読書とアルバイト。読書によっていろんな人生を疑似体験したことは考え方に幅を持たせてくれたが、とりわけアルバイトからは実生活に即した経験を得ることができ、現在の私の仕事生活にプラスの作用を与えてくれているように思う。
私が得たことは、以下のようなことである。まず、大忙しの時こそ笑顔が必要なこと、また、誠意ある一言を言うか言わないかで全くお客さんの反応が違うこと、とにかく元気に呼びかけ、きびきびと応対し、自信を持って答えることが必要なこと。
色々アルバイトはしたが、上記のようなことに気をつけ、職場内でもハキハキと元気に仕事をするように心がけていったことで、自然と仕事がしやすい環境が形成されていったように思う。
そして、今、総合科学部で働く私がいるわけであるが、現在の私もいろんな刺激を日々受けつつ、自分を良い方に成長させるべく、職場でも頑張りたいと思っている。
ただし、物理的な刺激には全く弱いのですが…。さて、肌荒れには塗り薬。今日も一日元気で頑張ろう!
「仕事風景」
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