すてきな山の幼稚園!
幼稚園裏山の陣ヶ平山を、子どもたちは「探検の山」と呼んで親しんでいます。毎年マムシが冬眠し始める十月中旬になると、お父さんたちに探検のコースの準備をお願いし、十一月から三月にかけてたっぷりと山登りを楽しみます。
頂上までの道のりは五百〜六百、標高差は四十〜五十といったところですが、登山道は変化に富み、子どもたちが「落ち葉の滑り台」と呼ぶ、曲がりくねった坂道や、ロッククライミングもどきの急な斜面があり、年少児は小さな身体で悪戦苦闘しながら四十分近くかけて頂上まで登ります。
山に踏み入ると、そこは静けさに包まれた異次元の空間。木漏れ日の中を落ち葉を踏みしめながら歩いたり、木立の間を吹き抜ける風の音や小鳥のさえずりに聴き入ったりして、自然との一体感を味わっています。茂みの間には、「ゴーリー」という怪物や魔女が住んでいるというイメージが子どもたちの間で定着しており、ちょっぴり怖いながらも「今ごろゴーリーは何しているんだろう」と思いを巡らせたり、一生懸命手紙を書いたりするほほえましい姿も見られます。
頂上では、木登りや藤のつるでのターザンごっこを楽しみ、時の経つのも忘れて遊びます。思いがけずキツツキに出会ったり、落ち葉のスキー場、勇者の森、秘密の砦などの新たな遊び場を年々開拓したりなど、探検の山はいつも新たなる発見や驚きを子どもたちに提供してくれます。
山から降りてきた子どもたちのポケットは、ドングリや色とりどりのキノコなどのおみやげでいっぱい。子どもが主体となって思う存分かかわることのできる遊び空間「探検の山」は、アミューズメントパークでは味わえない楽しさを子どもたちに与えてくれる貴重な遊び場です。皆様も、どうぞお出かけください。
広大フォーラム32期3号 目次に戻る