がんが遺伝子の病気であることがわかってきました。最近、発がんのメカニズムとして染色体不安定性という概念が注目されています。本稿では、染色体不安定性を特徴とする二つの家族性腫瘍の研究を紹介して、細胞がどのように染色体を守っているかについて解説します。
|
がんと遺伝 |
がん細胞と染色体不安定性
|
毛細血管拡張性運動失調症 |
ナイミーヘン症候群 |
アムステルダムから列車で約2時間のナイミーヘン駅 |
DNAの修復機構 |
染色体を守るメカニズム |
おわりに |
プロフィール (まつうら・しんや) ☆一九六一年広島県生まれ ☆一九九〇年山口大学大学院医学研究科小児科学修了、医学博士 ☆一九九三年ロンドン大学 Human Frontier Science Program 研究員 ☆一九九五年 原爆放射能医学研究所放射線基礎研究分野助手 ☆一九九九年 同助教授 ☆専門:遺伝医学、人類遺伝学 現在、NBS1ノックアウトマウスの研究とともに、染色体数の不安定性を特徴とする新しい家族性腫瘍のマッピングを進めている。 ☆E-mail:shinya@hiroshima-u.ac.jp |