広大ホームページ紹介 

vol.1




 このコーナーでは,広島大学内で公開されているいろいろなホームページを紹介して,
そのページの管理者の方にお話を伺っていきます。
今回はその第1回目として,総合科学部の上領達之先生が管理されている
「生命の科学」の掲示板” (http://home.hiroshima-u.ac.jp/kamiryo/keijiban/keiji.cgi) を紹介します。





今回の管理者
上領達之先生
総合科学部教授
E-mail: kamiryo@hiroshima-u.ac.jp


取材:稲垣知宏(広報委員)
   庄司文由(広報委員)


 このウェブページは、先生が担当されている教養的教育科目の「生命の科学」という講義に連動しています。この講義の受講生が授業に関する質問を書き、先生がそれに応じ、また別な学生がそれらにコメントを寄せる、そういうことを期待して設置されたそうです。先ずはこのような掲示板を着想された背景から伺っていきます。

★広報委員(以下委員):講義と連動した掲示板というと、ありそうでいて、なかなかないのですが、先生が設置を思い立たれた背景をお聞かせ下さい。
★上領先生(以下上領):「生命の科学」はパッケージ科目の一つなので、十五週の内のどこかでは学生の専門分野からは離れた講義内容になります。こういう講義の重要性もだんだん理解され始めているようですが、「単位さえ取れればいい」という学生もまだ少なくありません。そういった学生にも話に関心をもってもらうために、何か補助的な手段が必要だと思いました。それと出席を動機付ける目的で、聴講カードを渡して講義へのコメントや質問などを書かせています。書かせた以上はちゃんと読む義務が生じて、いい質問などにはきちんと対応する必要があるわけですが、そうすると講義の時間が喰われてしまいます。そこで講義と対応とを両立させる方法を探していました。また受講生の数も最近は百五十名を超えるので、本当に分かって聴いているのか確かめることも難しくなっています。そういう状況で少しでも学生の反応が見える手立てはないものかと考えてもいました。電子メールだと一対一のコミュニケーションになってしまって他の学生からは見えませんし、万一どっとメールが来たら僕の方がパニックになりそうです。そんな折に「掲示板」という方法があることを教えて頂いて、それを作るために急遽ホームページを開設した、というのが実状です。
★委員:学生による掲示板の利用はどの程度だったんでしょう?
★上領:予想していたことではありますが、閲覧者は多いのに、書き込みをした人は少なかったですね。もちろん講義とあまり関係のないチャットをここで始められても困るんですけど。六月になってからは機会あるたびに書き込みを促しましたが、なかなか増えませんでした。期末試験のとき訊ねてみたら、この掲示板を一回も見なかったという人はせいぜい一割くらいでした。あまり健全ではないと思いつつも「過去の試験問題は掲示板で公開する」と伝えたので、問題を見るためだけに覗いた学生もいたはずです。数は少ないながら、「一日一度は見ていた」とか「先生と学生をつなぐいい手段だ」と書いている人もいましたので、まぁ自己満足だと自覚した上で、多少は役に立ったと思うことにしています。
★委員:このような掲示板を運用してみて、なにか気付いたことがあったら教えてください。
★上領:当初は部外者の闖入を恐れてアクセス制限をしたのですが、自宅から読めないという苦情が出て、これはすぐ外しました。外しても問題は何も起こりませんでした。この掲示板では、閲覧者は書き手の所属学部とメールアドレスしか判らないのですが、それでも「先生には記入者がわかる」とか「書いたことが変だったら恥ずかしい」と言う学生が多いんですね。自尊心にしては度が過ぎています。学ぶということが判っていない。これは「最近の学生の特徴だ」なんて笑って済ませられる問題じゃあないですよ、本当に。掲示板のURLや見方は繰り返して伝えたはずなのに、「見る方法がわからなかった」とか「パソコンを扱えないから」と言う学生が何人かいたのは驚きでした。近頃の大学生なら誰でも、インターネットとかには慣れている、と思いこんでいたのですけど。
★委員:この掲示板、後期以降はどうされるのですか?
★上領:後期にも同じ講義がありますので、新しい「掲示板」を開きます。その際、前期に書かれた記事も閲覧だけはできるようにしたいと思っています。きっと同じような質問をする人がいるでしょうから。また新しい掲示板にはアクセスカウンタを付けて、閲覧した人が掲示板の利用状況を把握できるようにしたいですね。

トップページには投稿されている記事とそのタイトルの一覧が表示されます。

記事のタイトルをクリックすると記事の内容が表示されます。画面は上嶺先生の試験についての講評です。

今回から始まったこのコーナー, いかがだったでしょうか。 このコーナーでは,広島大学内で公開されている ユニークな ホームページについての情報をお待ちしています。 広報委員会(koho@hiroshima-u.ac.jp)まで どしどしお寄せください。
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