中学校一年生 似島宿泊研修
新入生のオリエンテーションとして、四月下旬に二泊三日で似島で行われている。内容は安芸の小富士登山、オリエンテーリング、生徒会によるオリエンテーション、歌唱指導、附中の歴史の学習、クラフト、クラスワーク、キャンドルサービス等々、年によって多少の違いはあるものの、附属での学校生活に対する基本的な態度の育成、仲間づくりの実践の場として行われている。思い出の作文を書かせているが、生徒の作文の一部を紹介する。「僕の似島研修での一番の思い出はオリエンテーリングです。その理由は、班のみんなと一緒に、知らない似島の道や山の中を歩いたり走ったり登ったり下ったりしながらポイントを探し、協力しながら楽しめたからです」。
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中学校二年生 林間学校
二年生では、七月下旬に比婆郡の県民の森において、二泊三日で林間学校が行われてきた。吾妻山登山、御陵縦走、オリエンテーリング、飯盒炊さん、キャンプファイヤーなど、一年生のときよりも戸外での活動が多くなっている。自然に親しみ、自然の雄大さを体感し、自然の中での生活を通して、健康で安全な生活をおくる態度の育成や、規律正しい集団活動を通して、自律と協力の精神を養い、集団の活力を高めることを目標として、生徒による企画、準備、実施を基本としている。学校五日制を見通す中で、学校行事の精選が図られ、この行事は本年をもって当面中止することになったが、林間学校の持つ教育的意義から、その存続を望む声も大きい。
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中学校三年生 大山スキー修学旅行
本校では、三年生は原則として全員附属高校に進学している。二月中旬に入学検査を行い、続いて期末テストがあり、その後は卒業式まで少々ブランクがある。このブランクを有効に利用するという意味も含めて、大山スキー修学旅行が行われるようになり、三月の上旬に三泊四日で行ってきている。正しいスキー技術を習得させることはもちろん、冬山の大自然に接するという経験をさせること、団体生活の中で規律正しい生活態度を養うことなどがその主な目的である。僅かな日数の中での実習であるが、生徒たちはその若さをもって急速な技術の向上を我がものとする。この大山スキー修学旅行は中学校二年生の林間学校中止に伴い、二年生の三学期に移行することになっている。
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高等学校I年生 国立三瓶青年の家
中学校一年生から、高等学校II年生まで各学年に一回ずつの宿泊研修を設けるという主旨で、高等学校I年生では国立三瓶青年の家での研修が設定されてきた。他の学年の行事と比較して、研修先やら研修時期が頻繁に変更になってきたのが特徴である。昨年まで十月下旬に二泊三日での研修が行われてきたが、中学校二年生の行事と同様に、学校行事の精選の観点から本年度より取りやめになった。
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高等学校II年生 北海道修学旅行
中・高六年間を通しての最後の宿泊研修は、高等学校II年生の北海道修学旅行である。これは、平成五年度に沖縄から北海道に変更されて以来続いている。北海道の自然、産業、文化や北方領土について学ぶこと、とりわけ先住民であるアイヌの人々の歴史と文化について深く学ぶことを目的としたものである。それは第一回の旅行のキャッチコピーが「人間の住む静かなる大地 アイヌモシリへ ―共生への旅―」であることにも現われている。生徒たちは、広島と異なる大自然にも大きな感動を覚えるようである。沖縄に続く航空機利用の修学旅行は、将来、海外への修学旅行を視野に入れたものである。
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私たちの修学旅行は五泊六日で九州を一周するものであった。春のさわやかな風に吹かれての霧島・高千穂が懐かしい。高千穂で崖から落ちた他校の生徒を救助したという思い出もある。しかし、やはり修学旅行の最大の思い出は友人との語らいである。それを通して人間として大きくなっていくのである。後輩である附校生には日本を背負い世界に羽ばたく人物になって欲しい。 アカシア会(同窓会)会長
賀茂鶴酒造(株)代表取締役会長 石 井 泰 行 |