「自ら伸びよ」

-一貫教育を通じて-

附属三原幼稚園・小学校・中学校



 三原学園には大正十三年に制定された教育目標「自伸会信条」があります。この信条は、今日的課題に通じる目標でもあることに誇りをもっています。

一 私たちは私たちの力で伸びていこう
一 私たちは人のために尽くして感謝しよう
一 私たちは私たちのきまりを尊重しよう

 幼・小・中一貫教育公開研究会を始めて、今年度は四回目を迎えている。本学園の特色でもある異学年・異校種による交流で、少子化による弊害を克服できるような教育内容、地域の老人施設等との交流、地域企業での体験学習等、地域に根ざした教育内容も取り入れるなどして、情操豊かな心のエリートの育成を目指している。



「絵本の創作と読み語り」を振り返って
中学三年 古屋敷 尚子

 今回の選択学習が「国語」になったとき、絵本なんか作れない、と思っていた。でもやってみたら楽しかった。
 絵をかき、色をぬるのは、枚数がとても多く苦労した。
 幼稚園児に自分が作った本を読み聞かせるのはちょっと恥ずかしかった。それにセリフのところや、声の調子を変えるところがうまくいかなかった。
 読み終わった後で「この本をあげるから、教室の本棚においといて」と言ったら「もらっていいの?」「おうちに持ってかえっていい?」って言われた。「こんなのいらない」って言われるかもしれないと思っていたからとてもうれしかった。
 これからも交流を図っていきたい。

   






「楽しい思い出」
同窓生・保護者 溝手 顕正

 私には二学年下の妹と三学年下の弟がいますが、三人とも附属校でお世話になりました。私たちの在校生時代は給食がなく弁当持参でした。昼食時近くになると毎日、父親が三人分の弁当箱を持ってきて、私の帽子掛けに引っ掛けておいてくれるのです。昼時間になると妹と弟に弁当を届けるのが私の仕事でした。少しでも温かい弁当をという親心だったのです。今、改めて、その温かさを思い出しています。
 幸いにも私は、結婚後三原に住むことになり、息子も娘も附属校のお世話になることになりました。忙しさにかまけて子どもたちのことは放ったらかしでしたが、せめてもの父親らしさの発揮と頑張ったのが運動会でした。朝早く起き出してゴザを敷きに出掛け、大急ぎで前夜から準備していた弁当づくり、飲み物を準備して、座布団を抱えて運動会見学です。十五年間、欠かさず続けました。父親のこと、子どもたちのこと、附属校にまつわる温かい、楽しい思い出です。
(参議院議員)

   





「受け継がれてきたもの」
卒業生保護者 古屋敷 朋子

 この夏、手にした卒業アルバム、ビデオを見ながら、二女と附属学園での生活を振り返ってみました。
 中学生になれば、運動会で男子生徒は、学らんを着て応援団を、女子生徒は、応援パフォーマンスの練習に励みます。先輩の演技を応援する園児たちは、自ら学んでいくことができます。代々、受け継がれてきたものと、自分たちの色や形を織り出し、一つのものとして成し、また次へと繋いでいく──そうした力と仲間たちと培った信頼感、自分たちを認めてくださった先生方の熱い思いを合わせ、いつまでも心の糧として、活き続けていくと信じております。

   



「作ろうオリジナルやっさ祭り」
六年 小泉 裕梨子

 私たちの学校は、幼・小・中一貫教育研究校で、幼稚園・中学校と交流を進めている。地域に根ざした学習の一つとして、約四百三十年前から伝承されている「やっさ祭り」を総合学習でしてきた。四月から中学一年生と六年生が「作ろうオリジナルやっさ祭り」のテーマで進めた。私たちが計画を立てて、お兄さん、お姉さんの適切なアドバイスで多くのことを学んだ。私は、中学生のお姉さんが、私の思っていることをじっくり聞いて、「まず、この方法でやってごらん」と声をかけてくださったことが、大きな励みになった。
 この学んだことを、さわやか班活動、委員会活動に生かしていきたい。

   


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