自著を語る
『デンタル・テクノロジー ―これからの歯科口腔技工―』
編集/清水正嗣,田端恒雄,菅野義信
執筆/妹尾輝明,ほか
(B5版,421ページ)5,500円(本体)
1999年/アークメディア
「デンタルテクノロジー」って何んですか?
歯は、虫歯や歯槽膿漏、外科的処置、あるいは外傷などによって失われた場合、身体の他の骨と違って、いくら薬をつけてもその失われた部分の歯質は回復しません。そこで、セラミックス、プラスティックス、金属などの人工材料を加工・成形して、その失われた部分を元の状態に回復、改善する必要があります。
デンタルテクノロジー(歯科技工学)とは、こうした失われた歯や顎、顔面の形態や機能などを回復する装置(入れ歯など)をいかに作るべきか、あるいは生体にとってそれはどうでなければならないのかなどを考究する学問ということになります。
昨今、咬み合わせが、全身に重要な影響を与えているということが明らかになるにつれ、デンタルテクノロジーは、生体再建医療の重要な一分野として大きな期待が寄せられており、全国の五校の国立大学歯学部附属歯科技工士学校では、教育制度の改善として、四年制大学化への道が叫ばれています。
二十一世紀の歯科技工をめざした新しい本
本書の特徴は、このように二十一世紀の歯科技工をめざした新しい考え方にもとづき企画・編集されたものです。
編集は、それぞれの分野で著名な清水正嗣(大分医科大学名誉教授)、田端恒雄(東京医科歯科大学名誉教授)、菅野義信(広島大学名誉教授)の三名の先生方と小生を含め六名の編集協力委員が担当。執筆者は三人の編集委員を始め国内外で活躍されている四十数名の歯科医師、歯科技工士が担当。本書の内容は、第一章、歯科技工学の基礎―口腔の形と機能、疾患・滅菌消毒と放射線画像、第二章、顎顔面口腔外科の技工、第三章、審美修復のための技工の三本柱で構成されています。小生は、三章の一部を担当させていただきました。
プロフィール
(せお・てるあき)
☆一九六八年 東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校実習科卒業
☆一九七二年 広島大学歯学部附属歯科技工士学校講師
☆一九八二年 同教務主任
☆一九九五年 文部大臣表彰(専修学校教育功労者)
広大フォーラム32期4号
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