社会人教育への要望


天羽 満則
天羽公認会計士事務所
 IT(情報技術)革命によりグローバル化・情報化が急速に進み,経済・教育のみならずあらゆる分野で,地球規模の熾烈な競争が展開されています。私が業とする会計や監査の分野においても,ここ数年猛烈な勢いで国際化・情報化が進んでいます。ご承知の通り,日本の会計制度も世界基準に合わすべく,2000年3月期より連結決算制度・キャッシュフロー制度・税効果会計等が導入されました。
 企業においては,国際競争に打ち勝つため,国際化や情報化に対応した高度な専門性を持つ人材がますます必要とされています。また会社経営にもグローバルスタンダードが取り入れられつつあり,個人の立場からも高度な知識と情報を習得し,自己の能力を高める必要性を感じている社会人は年々増えているのではないでしょうか。
 このような状況を踏まえて,これからの大学における社会人教育を考えるとき,次の二つの面から「国際化」を進めていく必要があると思います。一つはグローバルな視点から物事を考える力を身につける教育を行う必要があるということです。二つ目は自身を「国際化」するためのスキルを身につけるための教育が必要であるということ。具体的には英語(ディベート・プレゼンテーション)とコンピューターを習得する教育が必要であると思います。更にそういう授業を通して,社会に問題意識を持って臨み,自ら考え解決していく能力が開発されることを望みます。
 欧米をはじめ世界各国が教育改革を推し進め,21世紀を担う人材の育成に躍起になっている現在,どの国も自国の未来を教育に託しているといっても過言ではないでしょう。それ故,大学には,大学の持つ教育力をどんどん地域に開放し,地域の教育力を高め,地域と世界を結ぶ存在になってほしいと希望します。




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