文学研究科に入学して
大学院文学研究科地理学専攻
武本 忠義
四十年前大学を卒業して、再び大学で勉強できるとは思いませんでした。大学四年生のとき大学院に進学したい希望はありましたが、自分の能力は分かっていたので、中学校教諭になりました。でも機会があれば再び学びたい気持ちはありました。一九七七年に学校教育学部専攻科に合格しましたが、体調が悪くなり辞退しました。大変残念だったのを覚えています。好きな地理学は自分で少し勉強していましたが、自分の力で勉強するのは強い意志がなくてはできません。
昨年退職して、再び大学で勉強したい意欲がわいてきました。大学が近いので、昨年、科目履修生として勉強する機会を得ました。四十年ぶりの講義は新鮮そのものでした。コンピューターを利用しての授業は驚きでした。それに教える立場から、教えられる側になって、自分が今までやってきた授業の不十分さを反省させられました。生徒たちに「どうしてこんなことがわからんのか」と言っていた事が恥ずかしく、生徒の分からない気持ちがよく分かりました。
さて、大学院は学部とは違い、自主的に研究しなくてはなりません。一抹の不安はありますが。先生方や院生の皆様のご指導で頑張っていきたいと決意しています。
◇一九六二年 山口大学卒
◇一九六二年 公立中学校教諭
◇一九九九年 退職
広大フォーラム32期4号
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