私のわくわく・どきどきキャンパスライフ


大学院教育学研究科学習科学専攻 カリキュラム開発専修
河邊 昭子
 私は、広島市の公立小学校で十五年間勤務してきました。四月七日、仕事としてではなく自分のために参加した入学式の心地よさは格別でした。経験を積むほどマンネリ化する授業、子どもたちとの感覚のずれ。「教育とは、音楽とは何ぞや?」という疑問が沸々と生じ、もう一度自分が「学ぶ」立場に身を置こうと決意して、この春から再び学生になったのです。世代の違うクラスメイトの皆さんが快く仲間に加えてくださったおかげで、高速道路通学も全く苦になりません。(でもやっぱり勉強やピアノの練習は大変ですが。)
 ある日、キャンパス内でかつての教え子と再会しました。「先生、なんでここにおるん?」と驚く彼女に事情を話すと「なんか不思議だねえ、先生と生徒が一緒に学生するなんて」。こんな共感も味わい深いものです。他にも数人いる教え子たちの今後が楽しみです。
 「いまどき」の学生生活は、驚きの連続です。今や就職活動もまずはメールで登録してからという時代なんですね。様々なサービスも充実してますし、学生証の恩恵はとにかくありがたい! 私もルンルン気分で利用しています。一方、構内での運転マナーの悪さやゴミのポイ捨てなど、思わず「ちゃんとしんさい!」と言いたくなる光景も見かけます。キャンパスにはいろいろな国籍・年代・経験・立場の方がいらっしゃいます。まさにここはひとつの「社会」、私たちはキャンパスという「社会」の住人だと思うのです。
 大学に入ってみて、ここにも「激動の波」が押し寄せてきていることを実感しました。私の所属専攻はこの春の改組で新設され、先生方も学問の方向性を模索していらっしゃると、率直に語ってくださいます。それが私にはとても新鮮に感じます。実は私たち学生も、その模索に参加するチャンスを与えられているのだと思います。キャンパスという「社会」を通して新しい「社会」を見つけたいと、わくわく・どきどきしている毎日です。




◇島根大学教育学部卒、広島市立安西小学校教諭



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