大学院先端物質科学研究科


論理の構築

先端物質科学研究科長 山西 正道


 早いもので、先端物質科学研究科が新設されて、まもなく三年になろうとしています。修士課程修了生も、量子物質科学専攻が二回目、分子生命機能科学専攻は第三回目ということになります。これから諸君は、博士課程に進学、あるいは社会に出て活躍ということになります。
 日本が今後、世界に対して活力高く生きていくためには、若い諸君の活躍が何にもまして重要となってきています。特に今後は、企業においても大学においても、ただ、がむしゃらに働くだけではなく、戦略を充分に立てて活動する必要があります。その際、重要なことは、前例にとらわれない論理の構築であると思います。頼りになるのは、出来るだけ定量的な分析結果に基づいた論理の構築であり、そこから意味のある戦略が引き出されるものと考えられます。
 これから新しい道に進む諸君、意欲的に、そして何より健康に留意して事に当たって下さい。世界の発展のため。

 

第二の故郷は広島

量子物質科学専攻 坂本 修一


 もう六年もたってしまった。これが四年間の大学生活、および二年間の大学院生活を終えての感想です。この六年間で、私はたくさんのことを学び成長しました。学部時代に身につけた専門知識の基礎をもとに、大学院で、先端の科学を研究する研究者の一員として研究活動に励み、先生方の厳しくも温かい指導のもと、いち研究者として日本物理学会で発表できるまでになりました。徹夜も平気でできるようになりましたが(笑)。
 また、この六年間でさまざまな人と出会い、多くの友達ができたことで、自分の世界が広がり、多様な価値観が身に付き、人として成長できました。部活動における友達に出会い、意見の衝突を乗り越え、皆で目標に向けて努力する素晴らしさを再確認しました。地域の活動の輪に加わることで、心と心で人と交流することの清々しさと、その意義を身をもって感じました。また、日本人以外の友達によって、国際的視野の重要性に気付かされました。
 このように私の成長を支援してくださった先生方、友達、そして家族、その他大勢の方々、本当にありがとうございます。修了後も広島で培ったものをもとに更なる飛躍と夢の実現にむけて自己を磨き続けます。広島はほんとうにいいところでした。第二の故郷は広島に決定です。

 

最先端の技術に触れて

分子生命機能科学専攻 白井 葉子


 私は先端物質科学研究科に入学し、修了を迎えるまでに様々なことを学びました。先端研では、分子生命機能科学を専攻し、ここで微生物を扱った環境バイオテクノロジーという最先端の技術について勉強しました。
 しかし、先端研では自分の専攻している学問にとらわれず、他の分野についても学ぶ機会が多数ありました。例えば、先端物質科学研究科共同セミナーにおいて、量子物質科学専攻の方と共に様々な情報処理技術について学ぶことができました。特に、目に映る外部世界の情報をコンピューターを用いて機械的情報に置換し、有効利用していくというような話が印象に残っています。
 二十一世紀はまさにバイオと情報通信技術の時代であるといわれているように、ここで最先端の技術に多々触れることができました。先端研というと、一見、何をしているところなのか不明瞭な印象を受けると思いますが、その名のとおり最先端の出来事について知り得ていくことができる場所でした。二年間という短い期間でしたが、先端物質科学研究科の先生方からたくさんの知識、技術を身に付けることができました。感謝の気持ちをここに贈らせて頂きます。ありがとうございました。

 



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