遊びをせむとや…
池 端 次 郎
(いけはた じろう) 教育学部教育学講座
〈部局歴〉
昭和42・4 (私立学校)
49・4 教育学部
長い間、大変お世話になりました。
恵まれた環境の中で、自由な研究の世界に遊ばせていただいたことは、何よりもありがたいことでした。
学生に恵まれたことも幸せでした。当初は苦行でしかなかった大講義室での講義も、やがて自分の思想を語りかける楽しみとなりました。なかでも、遊びながら学ぶと称して、二十年近くにわたって続けた二カ月一回の合宿特研は、忘れ難い記憶として残っております。
西条移転とともに、遊びの種がまたひとつ増えました。通勤の楽しみです。車窓に映る渓谷の景観は、移ろいゆく四季のたたずまいを満喫させてくれました。帰途好んで歩いた駅までのあぜ道も、風のそよぎや草いきれとともに、道草を食う楽しみを想い起こさせてくれました。
こうした楽しい日々を過ごさせていただいたのは、教育学部、ひいては広島大学の器量のおかげと感謝しております。どうか今後も、その名にふさわしく器の大きさを大切に、ますます発展されることを祈ります。
集中講義で来学中のC.シャルル教授(パリ第I大学)と
広大フォーラム32期5号
目次に戻る