留学生の皆さん、ありがとう

 栗 田 玲 子(くりた れいこ) 法学部国際関係講座


〈部局歴〉
 昭和31・4 (民間)           
   33・4〜37・3 (ノートルダム清心女子大学在学)  
   38・4〜61・3 (私立学校)    
   56・9〜58・5 (米国ハワイ州立大学大学院在学)
 平成6・4 法学部


   
 


 思いがけなく再就職したのは七年前。あっという間に定年を迎えようとしています。いや、とても長かったような気もしています。教員体験もあり、自分自身も留学体験をしたのだから、何とか職務を遂行することができるだろうとスタートしたものの、新しい体験の連続でした。日本のお母さんになってあげることができればいいという気持ちで三十人余りの留学生との交わりを持ったのですが、その殆どが中国、韓国、フィリピンから来た人たちで、同じアジア人だからコミュニケーションには支障がないだろうという私の予想は日に日に崩れていきました。根気よく時間をかけて耳を傾け一人ずつ理解の和を広げていく過程で、壁を作っているのは私、私自身の狭い島国根性なのだと気づくのです。長年かかっていつの間にか作り上げた先入観を持って学生と対面している自分に気づき、思わず汗することが度々です。個性溢れる留学生の皆さんに私の視野を広げていただいているような気がします。退職後はこの体験をもっと広い社会で生かしていきたいと思います。学部長さまをはじめ、諸先生方、事務の方々から温かく寛大な支援を賜り、この七年間を無事に過ごさせていただきましたことを深く感謝いたします。そして広島大学がもっと開かれた大学となりますことを期待いたします。


国際私法ゼミの中国人学生と(筆者右から2人目)

H12読売書法展入選作品


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