霞キャンパスの思い出
佐 藤 明 直
(さとう あきなお) 医学部解剖学第一講座
〈部局歴〉
昭和43・1 (京都大学) 44・8 医学部
二年前にはまだ実感のわかなかった定年が近づきました。一年前には、定年を間近にひかえると一体どんな感慨がわいてくるのだろうかという思いが時々頭をよぎることもありました。初めて講義を担当するにあたって心に描いた教育理念に、どの程度近づけただろうか、その中で自分が直接手をそめたことでどのような効果をあげ得ただろうかなどととりとめもなく考える瞬間はあるものの、現在は自分でも不思議な程淡々とした気持ちで最後の実習に明け暮れているこの頃です。時には無理な願いも聞き入れて支えていただけた技官の人たち、以前入院時にこの上なくお世話になったドクター・ナース・検査技師などの人たち、体力的な限界を感じ始めてうっかり弱気な言葉を吐いた時に、強烈な激励をくれた三年・四年の学生諸君、などなどに対する感謝の思いで一杯です。そして、今までとは少し違った分野の学生に対する四月からの講義と、自由な時間を楽しみにしています。
広大フォーラム32期5号
目次に戻る