改革、改革、改革?

 設 樂 惣 助(しだら そうすけ) 総合科学部自然環境研究講座 


〈部局歴〉
 昭和44・12 (名古屋大学)
   45・4 教養部
   49・6 総合科学部 

   
 


 一九七○年前後の全国的な大学紛争の余震の続く広島大学教養部に来て以来三十一年、お世話になりました。着任三年余りでの教養部改革による総合科学部の創設にはじまり、大綱化による一般教育の廃止、独立行政法人化などの大きな「改革」だけでなく、常に改革、改革と組織や制度を何か変えていくことが、大学人の主要な仕事であるかような感をうけます。それに費やす物理的・精神的エネルギーは、研究と教育に費やすものに比べ、何倍にもなるように感じます。表面的な理由付けはどうであれ、大綱化以降は経済的な動機が主要因ですが、すべてを経済主義の基準で律するのは、二十一世紀の大学として禍根を残すでしょう。多様性は創造の基礎として不可欠だと思うからです。  


研究室にて(筆者左)



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