悔いもあり十年
吉 本 明 弘
(よしもと あきひろ) 生物生産学部応用生化学講座
〈部局歴〉
昭和31・4 (民間)
40・4 (九州大学大学院農学研究科在学)
46・4 (民間)
平成3・4 生物生産学部
大学の実情に疎かったためもあるが、着任早々予算が少なく研究設備が皆無である情況を知って驚いた。そのため数年は研究もままならず設備調達に奔走する羽目になった。幸いにも旧知の医薬研究所の閉鎖を知り、設備の譲渡をとりつけて何とかしのぐことができたが、この間のタイムロスは惜しい。当初の学生たちには不自由をかけすまなかったと思っている。
民間経験の持ち味を活かすことも責務と考え、現象の解明から実用化に及ぶ視点の重要性を教えてきましたが、出口教育にも役立つておれば幸いです。毎年新入生を迎え、ともに学び、語らい、研究する楽しみは得難い経験でした。改革・改善の試みは多いが、究極的には教育は教官個人の力量に帰せられる宿命にあり、自己責任の重さを痛感している。
さて、学生諸氏より最終評価を下される身となりましたが、せめても反面教師としての存在は認めてくれることを願っている。葛藤の証があればそれで十分と致します。深謝。
研究室ゼミのあとの歓談風景(筆者右)
広大フォーラム32期5号
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