「夕暮れ時はよいとき、かぎりなく優しいひととき…」

 武 田 智 孝(たけだ ともたか) 文学部欧米文学語学講座 


〈部局歴〉
昭和37・4 (弘前大学)
   46・10 教養部
   49・6 総合科学部
 平成9・4 文学部

   
 


 広大にはほぼ三十年いました。最後の四年間が文学部、その前は教養部=総合科学部です。総合科学部時代は初修外国語教育のあり方で随分悩みました。理念などという高尚な話ではない、どうしようもなく襲ってくる空しさとの戦いでした。今のシステムは中途半端過ぎるのです。自由化と自己責任の時代ですから選択制にして、意欲のある学生にだけ心行くまで学んでもらうという方式しかないと思っています。このままでは学生、教師双方にとって不幸です。
 その点、最後の文学部は私にとって黄金の四年間でした。研究は即教育に反映し、教育に熱意を傾ければ即自分の学問の充実にもつながるという、夢みたいな生活でした。特に文学史と院の演習と論文指導はとてつもなくハードでしたが、私も勉強になりました。良い学生は教師を教育します。拙い話に熱心に耳を傾けてくれて、私にとっての最後の「先生」となった孫のような学生諸君には感謝の気持ちでいっぱいです。  


私の最後の「先生」となった孫のような学生たちと



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