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広島大学の情報メディア戦略を担う
情報メディア教育研究センター

情報メディア教育研究センター設立準備委員会
委員長 牟 田 泰 三(Muta,Taizo)
副委員長 位 藤 邦 生(Itoh,Kunio)



情報メディア教育研究センターの配置図
(配置図及び写真の説明は,2001年3月時点の名称で表記してあります)

 広島大学では、統合移転後の学内体制整備の一環として、学部教育の改革、特に教養的教育の改革を推進してきました。その中で、新たな教育研究支援体制構築の必要性が認識され、学内措置による情報教育研究センター及び外国語教育研究センターの設置が進められたのは周知の通りです。情報化社会に生きる次世代の先進的人材を養成するためにも、教育研究活動をより一層活性化するためにも、既設の総合情報処理センターやこれら二つのセンターを基軸とし、附属図書館における電子化されたメディアコンテンツ提供機能をも含んだ、情報メディア環境の整備が必要であると考えられます。
 これらの状況に対応するためには、情報メディア環境の全学的な整備が急務であり、その整備によって大学の機能をより高度化することが望まれます。この目標を達成するための具体的な方策として、(1)各部局において個別に行われてきた情報メディア環境整備の有機的な統合整理、(2)総合情報処理センター、情報教育研究センター、外国語教育研究センター、情報メディア教育研究霞センター、附属図書館の一部等の統合、(3)情報化社会で活躍する人材を養成し、先端的な研究を推し進める大学院の新設、などが考えられます。
 このような考えに立って、情報通信・メディア委員会から、平成十年度に新しい教育研究センターの設置と研究科の新設を盛り込んだ構想が出されました。この構想のうち、前述の(2)に相当する統合的なセンターの設置を目指して、二年前から、「情報メディアセンター設立準備委員会」が設けられ、計画を進めてきました。既存組織の統合化を推進することによって、従来、別々に行われてきた教育・研究・サービス業務を統一し、より効率化するとともに、情報メディア時代に即応した新たな業務を提供することが可能となります。上記設立準備委員会では、新センターの設立に向けて調査研究をすすめ、文部科学省(当時文部省)との打ち合わせを続けた結果、ようやく平成十三年四月に「情報メディア教育研究センター」が省令施設として発足の運びとなりました。設立準備委員会は設立準備の企画立案という使命を終えて、新たに具体的な設置の準備作業を行うための「情報メディア教育研究センター設立準備委員会」が設置されて活動を行っています。
 情報メディア教育研究センターは、省令施設である総合情報処理センターと学内措置で設置されている情報教育研究センター、外国語教育研究センター並びに情報メディア教育研究霞センターの機能を統合した上で、新たな時代に即応した機能を付与して、設置されるものです。今回は、図書館の情報メディア機能との統合は見送り、大学全体としての次の情報メディア統合構想を待つこととしました。
 なお、外国語教育研究センターでは、情報メディアを活用した外国語教育の研究のみでなく、英語研修プログラムやTOEFL模試など、新しい試みを行ってきました。これらの機能ももちろん新センターに引き継がれます。
 情報メディア教育研究センターには、センター長の下に三名のセンター主任(学内併任の予定)をおき、総勢十八名ほどの教官が所属します。センターは教育研究部と運用部から成っています。これらの教官は、教育研究部の情報通信基盤系、遠隔コミュニケーション系、メディア活用系、メディアコミュニケーション系に分かれ、それぞれの成果を教育・研究・サービスに役立てます。  一方、運用部では、センター長及びセンター主任と連携しながら、事務官が教育研究部とユーザーとの間のインターフェイスとしての役割を果たします。
 建物はまだありませんので、従来から使用してきた総合情報処理センターの建物、西図書館の一部、総合科学部の一部、霞地区及び東千田地区の一部を利用します。従って、情報メディア教育研究センターの看板は総合情報処理センターの建物に掛けられ、その他の場所では、それぞれ、情報メディア教育研究センター西分室、霞分室、東千田分室のような看板になります。
 本学ではすでに双方向授業やテレビ会議システムの実用化が進んでおり、遠隔教育やインターネットを活用した授業支援などを含むバーチャルユニバーシティー構想も進められています。情報メディアを中心に据えた斬新な教育研究並びに大学運営は、これからの広島大学にとって、最重要施策の一つとなるでしょう。情報メディア教育研究センターは、この施策を支える中核的組織として貢献してくれるものと期待されます。

(平成十三年三月上旬記)


西図書館3Fのマルチメディアフロア(情報教育用オープンスペース)

総合情報処理センター

西図書館3Fのマルチメディアフロア(外国語自習室)

情報メディア教育研究霞センター




(遠隔コミュニケーションシステム)
離れた場所での医療連携や遠隔授業などを活用目的として,
マルチキャスト(多地点限定双方向通信機能)の技術を用い,
認証された利用者が特定多数の端末を使って,
リアルタイムかつ双方向に通信が行えるシステムを開発しています。




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