ゲッチンゲン・ミニチュア・ピッグの分娩 Göttingen Miniature Schwein |
|||||
今まさに子豚が生まれようとしているところ 豚は通常、横になって分娩するが,このように立ったままで産むこともある |
|||||
子豚を被っている胎膜を取り除く |
子豚の顔を被っている胎膜。生れたての子豚はツメが柔らかく先が丸いので,産道を傷つけることがない |
||||
へその緒を切る |
|||||
子豚を乳につける |
|||||
ミニチュア豚は一回の分娩で三`五匹の子豚を産みます。母豚は自分の力で分娩できますが、人がお産を介助してやると死にかけた子豚でも命を救うことができます。管理者としては、分娩が長引いた時の手当てや、胎膜におおわれたまま仮死状態で生まれた子豚の人工呼吸など、助産の基本的なやり方を熟知しておくことが必要です。母豚は、分娩が近づくと食欲が減って、動作も落ち着かなくなり、ワラなどを与えると鼻や前足を使って分娩のための巣作りを始めます。また、乳頭を指でしごくと乳がにじむようになります。生まれたての子豚は胎膜でおおわれていることが多く、そのままにしておくと呼吸ができなくて死ぬことがあるので、布切れなどで口のまわりの膜をとってやります。また、子豚の体は羊水や血液で濡れており、冬場や夜間の分娩では体温が下がって死んでしまうので、体全体をワラや乾いた布で拭いてやります。その後、へその緒を切って消毒し、保温箱に入れます。さらに、生後一〜二時間以内に初乳を飲ませるために子豚を母豚の乳につけます。ところで、ミニチュア豚の乳は、普通、左右に五つずつありますが、子豚は生後三〜四日で自分が飲む乳をそれぞれ決めてしまいます。 動物は、一般的に夜に分娩することが多いのですが、そうなると助産が大変になるので、附属農場では豚を昼間に分娩させるための研究も行っています。 家畜は、私たち人間の生活のためにその命をまっとうする動物ですので、生きている間は、管理者が愛情を注いで育ててやることが大事だと思います。家畜を扱い始めてから数十年になりますが、今でも新しい発見をすることがあり、日々初心を忘れることはありません。 |