国際協力研究科
大学院国際協力研究科へようこそ

国際協力研究科長 中山 修一


IDEC本館
 新入生の皆さん、ようこそ大学院国際協力研究科へ。この研究科は、通称IDEC(アイデック)と呼ばれます。広島大学の中では、学部を持たない独立研究科として、また、全国九十九の国立大学の中では、名古屋大学、神戸大学と並び三大学にのみ設置された国際開発・協力系の特色ある大学院です。一九九四年に新設された若い研究科ですが、二○○○年十月には、学生総数約二七○人のうち留学生が五○・八%に達し、全国的にも突出して国際色豊かな学生の構成になっています。そのため英語も日常語になっているのです。
 さて、私たちには大きな夢があります。それは、「世界の平和と繁栄の創造に向かって果敢にチャレンジし、専門知識だけでなく複雑な事象に対応できる総合的な判断力を備え、対象地域の社会・文化の特質をより深く理解し、人々の生活の質的向上に貢献できる理論と実践力を備える」というIDECの使命の中に盛り込まれています。
 新入生の皆さんが、先輩諸君ともども新鮮な叡智を発揮して、多様で複雑な地球的課題の解決策を求め、大きな学びの海原に共に船出してくれることを心より期待しています。グローバル時代の「国際協力の推進」は、二十一世紀の代表的なキーワードです。

国際協力と大学院生活

開発科学専攻博士課程前期二年 江種 基


ISSOT(交通に関するセミナー)会場にて(筆者前列右)
 新入生の皆さん、国際協力研究科へのご入学おめでとうございます。
 皆さんは、国際協力に強い関心をもった方々だと思います。そこで、これからの生活の参考になれば良いと思い、私の考える国際協力と大学院での生活の関係について述べようと思います。
 国際協力を考えるには、まず自分(自国)を客観的に見る必要があると思います。それには、他人の意見をより多くきくことが必要になると思います。IDECには様々な国からの留学生が多数いるので、他国の学生と会話をする機会は多くなるでしょう。また、勉強に関しては、議論を取り入れる講義がたくさんあり、様々な分野の話題について他人の考えを耳にできます。このような小さな交流一つ一つが実は国際協力といえる気もしますし、この中で国際協力における自分の役割が見えてくると思います。また、その他にも活動の場はあるので、積極的に参加することをお勧めします。例えば、国際的な学会に参加したり、海外に実際に研修にいったりすることでさらに国際理解が深まることでしょう。
 みんなで積極的に会話・議論して国際協力について考えましょう。

ようこそIDECへ

教育文化専攻博士課程前期二年 三木 俊伸


中村平治先生を囲んで (筆者後列右から2人目)
 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ、大学院国際協力研究科へ。
 IDECは、優れた教官のもとで多種多様なバックグラウンドをもつ者が集い、互いに学び合う所です。ここでは、様々な国からの留学生や、海外青年協力隊員、政府の行政官、NGO職員、教員や技術者など、多様な学生がともに学び、「国際協力」について語りあっています。また、研究分野も社会科学から自然科学まで多岐にわたり、専門分野以外の分野でも知識と教養を得やすいようになっています。
 留学生が多く在学していることもIDECならではでしょう。それぞれの文化を持ち、多様な考え方を持つ留学生との議論を通じて、それまで気づかなかった考え方を得て、自らの研究を深化させることができるのは、IDECで学ぶ者の特権です。また、彼らとの交流を通じて忘れがたい経験を得ることもできるでしょう。
 新入生の皆さんはそれぞれの専門分野で、国際協力という理念のもとで自らの研究を深めていこうと、希望をもっていることと思います。ここで多くの友人を持ち、互いに理解し合うことで自らを高める環境を得た今、それらを生かして充実した時間を送られますようお祈りします。




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