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広島大学 関西地区就職応援団 への期待


文・松水 征夫
  (Matsumizu, Yukuo)
学生就職センター長
経済学部教授




就職応援団第4回例会(関西文化サロンにて)
西川前センター長(前列右から2人目),筆者(前列中央)

 関西地区在住の本学卒業生が、後輩たちの就職を支援したいということで昨年二月に「広島大学関西地区就職応援団」を結成された。就職応援団の結成以来、一年が経過したことで、これまでの経過を振り返るとともに、センター長としての就職応援団に対する期待について述べてみたい。
 学生就職センターは、平成十年五月に学内措置により設立された。初代センター長の西川教授は、長年の民間企業勤務の経験を活かして、学生の就職支援事業に尽力された。残念ながら、就任一年で停年を迎えられた。退官にあたって本誌への寄稿文「広大生就職活動応援団の夢」の中で、「自分が大金持ちであったら、自分の事務所の一室にパソコンやファックスを置いて、就職活動で上京し、孤軍奮闘している広大生の拠点として自由に使わせてあげたい」という夢を書かれ、「広大のOBの中からそんな方を探し出して頼んでみたい」と熱い思いを書かれた。それをご覧になったNHKのディレクターをされていた卒業生が現在就職応援団長をされている田村昶三氏(クボタOB、政経学部OB)と相談をされ、田村氏を初めとする有志の方々が関西地区在住の卒業生に呼びかけていただき、応援団が昨年二月二十九日に発足した。
 就職応援団の設立総会では、具体的に卒業生として、いかなる就職支援活動ができるかをご議論いただき、@学生の先輩訪問や評議員等の企業訪問の際に利用可能となる会員名簿の作成、A関西地区で広島大学の知名度を上げるためのPR活動、B就職講義や大学内における会社説明会などで、後輩へのアドバイス、C学生就職センターへの求人情報の提供、などを行うことを決定していただいた。
 平成十二年度は、四回の例会が開催され、母校の学生の就職活動を支援するための方法の検討だけでなく、産学交流やOB・OGの情報交換も積極的に行われた。さらに就職応援団長の田村氏には、昨年十月二十七日に、広島大学の教職員向けの就職指導講演会において、「企業の求める人材像―広大への期待―」と題して、母校に対する熱き思いを語っていただいた。
 現在会員は約三五○名であるが、今後さらに増えるものと思われる。平成十三年度からは、応援団の活動の活性化及び参加者の増強のため、会員が五名以上集まった場合には企業別・地域別・同期別などの支部を順次創設していくことになった。こうした動きが今後関東、九州地区でも広がり、学生の就職活動支援事業が本学同窓会活動の一環になれば、就職率の改善に大きく貢献することになるものと期待している。


関西地区就職応援団長の抱負
関西地区就職応援団長
             田村 昶三
              (S36. 政経学部卒)

 近畿地区出身の卒業生は約15%です。関西の経済復権のために新卒採用者増加のお手伝いをしたいと昨年2月29日に「関西地区就職応援団」がスタートしました。
 先輩,後輩の強い絆で大学と企業のパイプ役を担い,関西にしかない組織にしたいと関西地区の全学部の卒業生に呼びかけました。「母校広島大学および後輩のため」の応援です。この活動を通じて団員相互の親睦を深めて,卒業生の絆を強くします。
 昨年度は,4回の全体集会を開催するとともに,関西に本社のある会社へ卒業生の採用のお願いと就職情報の収集のために,松水学生就職センター長と16社に企業訪問しました。本年度は,企業・地域・同期別の支部を創設して,活動の活性化をはかり,参加者の増強を推進します。また,広島大学での業界説明会を積極的に取り組みたいと思います。皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。




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