『ナットク英語ひろば』
著者/谷本 秀康
(新書版 351ページ)
1,200円(本体)
1995年/中国新聞社
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本著は中国新聞の夕刊木曜日版に、一九九二年一月から四年間にわたって一八四回連載したコラム「ナットク! 英語ひろば」の内、一六六回までの内容に若干の修正と加筆をして一冊の本にまとめたものです。
内容
もともとこのコラムは中学生や高校生に学校の授業では学べない英語に関するさまざまな情報や話題を提供することを目的として設けられたものです。内容は英米文化を反映する英単語の語源や諺から年中行事、自然、環境、時事・社会問題など多岐の項目にわたっており、かなり専門的な内容も含まれています。一方で、日本文化やその他の何かと役立つ雑学的情報をふんだんに盛り込むことによって、大学生や社会人も楽しみながら読めるように工夫しました。
生みの苦しみ
各トピックは九百字程度の読み物になっていますが、それだけの長さにまとめるためには少なくともその数倍の情報を収集し整理する必要があります。執筆の際に特に気を使ったのが参考資料や文献の内容の信憑性です。資料によって内容が違っていたり矛盾している場合には、かなりの時間をかけて事実確認を行いました。トピックが決まればあとは関連資料を収集して片っ端からワープロに入力し、情報を取捨選択しながら作業を進めればよいのですが、トピックがなかなか決まらない場合は締め切り前日の深夜二時、三時までかかって原稿を書き上げて編集担当者にファックスしたことも度々ありました。
学生諸君へ
一冊の本にまとめられて、その内容を改めて読み返してみるとこれがなかなかの労作です。どのページから読み始めても、なるほどとナットクするような面白くて役に立つ情報がてんこ盛りです。二十一世紀の国際人を目指す学生諸君には卒業までに是非読んで欲しい一冊です。
プロフィール |
(たにもと・ひでやす)
☆愛媛県生まれ
☆一九七七年 京都外国語大学大学院修士課程修了
☆一九七七年〜一九八九年 広島YMCA外語学院専任講師
☆一九八九年 広島大学総合科学部専任講師
☆一九九六年 同助教授
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『21世紀の教養2 異文化/I・BUNKA』
淺野敏久・於保幸正
開發一郎・小島 基
冨岡庄一・水羽信男[共編]
(A5版,295ページ)
2,400円(本体)
2000年/培風館
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本学では、教養的教育の新しい試みの一つとして、パッケージ別科目を開設しています。これは、一つの大きなテーマのもとに、複数の教官が授業科目を出して、人文科学、社会科学、自然科学の諸側面から、そのテーマにアプローチするものです。そもそも本書の構想は、そのパッケージ別科目の一つである「国際化と異文化交流」に参画していた教官有志の中から生まれたものです。しかし、「異文化」というテーマからして、たまたまパッケージ別科目に参画している者だけでなく、もっと多くの人たちに参加してもらおうということになり、総合科学部内に広く参加を呼びかけることになりました。
ところで、『21世紀の教養1 科学技術と環境』(培風館、一九九九年)という本が、我々の仲間の手によって出版されていました。「専門以外の分野に幅広く目を向けるこの姿勢こそ、21世紀を生きる人びとに要求される教養ではあるまいか」という思いを同じくする我々は、『21世紀の教養2』として、本書を世に出すことにした次第です。
本書は、大学生だけでなく、高校生や社会人を幅広く対象とし、人文科学・社会科学・自然科学のさまざまな側面から、「異文化」という共通のテーマにアプローチすることをめざしています。本書が、読者に伝えたいことは、「異文化」を単なる「対象」としてとらえる姿勢ではなく、また「異文化」に関する断定的な結論でもありません。「異文化」について考える素材を提供し、そして「異文化」に関する問いかけや問題を提起することを通じて、読者に「異文化」を自分のものとしてとらえ、「異文化」について積極的に考え・つき合う姿勢の大切さを伝えたいと考えています。そして本書を通じて読者が、21世紀に向けて「異文化」と付き合う"勇気"や"元気"を感じてくれたならば、と願っています。
(文・編集委員代表 冨岡 庄一)
プロフィール |
(とみおか・しょういち)
☆一九四七年 大阪府生まれ
☆一九九二年 広島大学総合科学部助教授
☆一九九五年 同教授
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