PHOTO ESSAY -57-


芸予地震
キャンパス内の被害状況



 去る3月24日午後3時半頃,この地方をふいに襲った芸予地震では,各地で大きな被害が発生しました。
 本学の各キャンパスでの被害状況を写真で追ってみました。

教育学部 教育棟の屋根瓦破損

総合科学部 研究棟の書架等転倒・破損

附属中・高等学校 体育館の外壁破損

医学部附属病院 病棟の内壁破損

附属東雲小学校 校舎昇降口の階段破損

南グランド付近の法面崩壊

アーチェリー場周辺 道路地割れ

西福利施設周辺 道路陥没

教育学部 教育棟の照明装置落下

附属図書館 書籍の転落

総合科学部 研究棟のパソコン転落・破損

附属三原小学校 体育館の天井破損


 平成十三年三月二十四日、午後三時二十八分ごろ発生した芸予地震(M6・4(気象庁))は、西日本の広い範囲に強い揺れをもたらし、広島県南西部では最大震度6弱に達する地域もありました。この地震は、南海トラフから沈み込むフィリピン海プレート(スラブ)の地下六十nの内部で、東西方向の引っ張りの力によって南北方向の断層が西にすべり下がるように動いたため発生した正断層型の地震と考えられており、日本列島周辺で数多く発生する活断層起源の内陸直下型の地震や海溝沿いに発生するプレート境界型の巨大地震とは異なるタイプの地震でした。
 この地震が発生した瀬戸内海中西部は、歴史時代に大きな地震が繰り返し発生した場所で、近年でも一九○五年の「芸予地震」(M7・2)や一九四九年のM6・2の地震が起こっており、専門家の間ではいつ大きな地震が起こってもおかしくないと考えられていました。
 今回の地震は、一九○五年の「芸予地震」より規模が少し小さく、震源地域が東にずれていたため、広島市や呉市での被害が、防災関係者の被害想定を大きく下回ったことは不幸中の幸いであったと言えます。
(大学院文学研究科教授 中田 高)



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