広島大学の統合移転およびこれに伴う施設整備事業は、広島大学統合移転実施計画委員会において、昭和五十四年三月に策定された「広島大学新キャンパス総合計画一次案」を基軸として進められてきました。
その結果、昭和五十七年に工学部が東広島キャンパスに移転したのを皮切りに、平成七年春には、広島市及び福山市等に分散していた九学部が統合移転し、平成九年二月には事務局の移転も完了し、これにより東広島キャンパスは、全国有数規模のキャンパスとなりました。
一方、近年国立大学を取り巻く状況は大きく変わり、大学の設置形態も変わろうとしています。この間、広島大学においても幾多の教育基盤の整備がなされてきましたが、それをはるかに上回る速度で、学術研究のグローバル化および高度化・国際化が進展するとともに、社会的にも十八歳人口が減少する一方で、生涯学習への関心が高まるなど高等教育機関および研究機関としての大学に要請される役割は極めて多様化してきています。
そこで、こうした状況に即応した、快適で効率的な施設環境を提供し、教育研究機関としての基盤を確保することが、今後の大学にとって、これまで以上に重要な課題となってきました。
このような理由から、昭和五十四年に策定された「広島大学新キャンパス総合計画一次案」を基に、広島大学施設整備委員会が中心となり、東広島キャンパスの特徴を活かした将来性豊かなキャンパスを実現するため、「広島大学施設整備基本計画(東広島キャンパス)」を新たに作成したものです。