Hello! センター



アイソトープ総合センター

 (http://home.hiroshima-u.ac.jp/ricenter/

 今回、私達はアイソトープ(radioisotope:放射性同位元素、略してRI)総合センターを訪れました。このセンターは工学研究科と理学研究科の間に位置しています。

Q RIセンターはどのような施設なのですか。
 RIを使用する研究の促進、安全管理を目的とする施設で、RIを使った実験を行うことが出来ます。また、実験施設として以外に、RI使用に関する教育・訓練や集中的RI排水管理、地域社会への啓蒙活動を行う役割を担っています。
Q 安全管理は具体的にどのように行われているのですか。
 まず、正面玄関のドアの開閉は指紋照合によって制御されていて、予め利用者講習を受け登録をした人のみが施設内に入る事が出来るようなシステムになっています。退出する時には汚染検査を実施し、利用者及び周囲の環境の安全を保っています。放射線と聞くだけで過敏に反応してしまう人も多いと思いますが、センターで定められたルールを守って利用していれば健康に支障をきたすことはありません。センター利用者に義務付けられている年に一度の健康診断でも異常が認められた事はありません。また、RI廃水は法律で定められた規定値の十分の一以下の濃度にして排水しています。このように、センターでは二重、三重の厳密な安全管理を行っています。
Q どのような学部の方が利用されているのですか。
 センターの利用者の大部分は理学研究科などの理系の学生・教官ですが、中には文学研究科・教育学研究科の方もおられます。

 RIが様々な学問分野で利用されていることを知り驚くと同時に、幅広い学術・研究へのRIの応用の可能性とRIセンターの利用価値を認識することができました。

左から中野技官、中島助教授、稲田助手、河内助手、橋本さん、山本さん

排水処理装置


 この記事は、山本佳宏・橋本有加(ともに理学部生物科学科)が、アイソトープ総合センターの中島覚助教授、河内千恵助手、稲田晋宣助手、中野美代子技官をお伺いし、取材したものです。



平和科学研究センター

 (http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/

Q センターは何を目的としたどのような活動をしているのですか。
 平和科学研究センターは、主に平和学の研究を目的としています。一九七五年に設立され、現在でも、国立大学唯一の平和研究機関です。以来、研究会や年一回のシンポジウムを開き、その成果を報告しています。最近は紛争・戦争の問題を取り扱っており、十二月一日には、「紛争と人間の安全保障」をテーマにしたシンポジウムが開催されました。
Q 「平和科学」とは具体的にどの様な学問なのですか。
 「平和科学」という言い方より現在では「平和学」という言い方が一般的です。「平和学」には主に紛争・戦争を問題とした領域のものと、主に発展途上国の病気・貧困等を問題とした領域のものがあります。そもそも「平和」の定義が多様であるため、「平和学」も様々な領域に渡った学問となっています。大きくは、「平和をさまたげる要因を明らかにした上で、(平和を)推進する方法をさがす」という学問です。このセンターとしては主に紛争・戦争について原因究明・予防・解決に焦点を当て研究を続けています。
Q センターの情報を知るには、どのような手段がありますか。
 センターでは「平和学」に関する書籍が多く揃っています。中央図書館で申し込めば、直接センターを訪れる必要もなく貸借が可能です。ぜひ御利用ください。またホームページでは「シンポジウム」や紀要などの情報が入手できます。ちなみに西条キャンパスを中心に定期的に研究会が行われています。シンポジウム共々興味のある方はぜひ参加してみて下さい。

 今回の取材を通して、「平和学」には様々な研究対象があり、決して一面的な学問ではないこと、そして、「平和」の概念もまた多様な形で存在することがわかりました。

東千田キャンパス・平和科学研究センター(3F)

左から松尾センター長、藤本さん、有川さん


 この記事は、有川真理・藤本梓(ともに文学部人文学科)が、平和科学研究センター長の松尾雅嗣先生をお伺いし、取材したものです。


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