今年の公務員採用試験では、広島大学全体として国家T種十一名、国家U種百二十六名が合格(既卒者を含む)しました。一方、教員を除いた地方公務員採用試験結果についても、かなりの合格者がでているとみられます。そこで、今年の公務員採用試験に合格された六名の皆さんに、六名の後輩たちから質問をしてもらいました。
座談会に出席した公務員試験合格者:
遠藤雅也さん(総4、沼津市役所行政)
中村晴香さん(文4、国家U種行政中国[海難審判庁])
足立文玄さん(工研M2、国家T種理工T[国土交通省])
須藤祥一さん(理研M2、国家T種理工W[財務省税関])
出口実歩さん(生物圏研M2、広島県林業)
森井一成さん(理研D3、国家U種物理)
写真:左より中村さん、森井さん、出口さん、遠藤さん、須藤さん、足立さん
『求められる学生像』
広島県人事委員会事務局長
新 井 卓 夫
(1969年 政経学部卒)
<写真:県庁の執務風景
21世紀の開始とともに、これまでの国、地方を通ずる行政の組織・制度の在り方、行政と国民との関係等を抜本的に見直し、新たな行政システムが構築されつつあります。今後は地方分権も進み、地方自治体が自らの責任と判断で個性を生かした政策を立案し、実行していくこととなります。
このため、公務員についても、多様な能力をもつ色々なタイプの人材を必要とするとともに、急速な社会変化に対応するために、迅速な意思決定と強固な実行力が求められます。今までの役所は、住民からの税金を使って仕事をしている関係から、失敗を恐れるがため、とかく前例踏襲の事なかれ主義になりがちでした。
しかし、これからの公務員は、従来の枠組みにとらわれず、既存のシステムを積極的に壊していくだけの気概が是非とも必要です。こうした柔軟な思考と失敗を恐れないタフな精神力をもつ人こそが、今の公務員には求められていると考えます。