Forum

 本学では、大学院等の整備を推進し、平成14年度に大学院医歯薬学総合研究科及び大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センターを設置し、大学院生物圏科学研究科を改組再編しました。また、附置研究所の原爆放射能医学研究所を改組再編して原爆放射線医科学研究所へ名称を変更しました。

大学院生物圏科学研究科
生物圏科学の構築
文・山 本 義 雄(Yamamoto,Yoshio)大学院生物圏科学研究科長

研究科の目標と組織
 生物圏科学研究科は平成十四年度からの大学院講座化に伴い、四専攻・三十一教育研究分野を三専攻・十一大講座に改組再編しました。新しい生物圏科学研究科は、生物圏に生起する諸現象と人間活動を俯瞰的・統合的に捉え、人間活動と自然との調和的な共存を図り、生物資源の有効利用と開発を通して、地域・国際社会の持続的な発展に貢献し得る高度な教育研究を実施します。このための大学院教育として、伝統的学問分野の深化、新たなる学際領域の創出及びフィールドにおける課題探索能力の向上が可能となる俯瞰的視野を持った人材養成に努めます。また、フィールドを重視した教育を実施するために、附属施設とともに学外から五つの研究機関にも連携分野として参加してもらいます。
 私たちの研究科は、「人間生活」・「食料」・「環境」をキーワードに、中四国から世界に情報発信できる新しい生物圏科学の拠点を構築するべく教職員・院生・学生が一致協力して努力する覚悟です。

看板上掲式



原爆放射線医科学研究所
広大唯一の附置研究所である原爆放射能医学研究所(原医研)の改組
文・神 谷 研 二(Kamiya,Kenji)原爆放射線医科学研究所長

牟田学長、東府事務局長の出席による看板除幕式
 原爆が投下されて半世紀を経た今日、放射線被曝による健康問題は新しい局面を迎えています。若年原爆被爆者が癌年令に達したことや被爆者の高齢化に伴う新疾患の発症増加傾向など、被爆者の新たな健康問題が出現しています。一方、最近の医療の高度化や原子力産業の発展により、公衆の被曝機会は益々増加しています。また、東海村臨界被曝事故以来、急性放射線障害の治療法の確立が強く求められています。さらに、セミパラチンスク核実験場周辺住民等の世界の被曝者に対する国際的共同研究や被曝医療援助が求められています。  この様な新たな健康問題に対し、最新の先端科学を導入する事でその対処が可能となっています。がん等の放射線誘発疾患は、放射線によるゲノム障害に起因することから、ゲノム医学的解析を進めることで疾患発症機構の解明やオーダーメイド治療等の新しい治療法の開発が可能です。また、重篤なゲノム障害を伴う急性放射線障害の治療は、再生医学的治療法を導入する事で可能です。さらに、分子疫学や新しい線量評価法の導入により、個々人の低線量放射線影響を的確に把握する可能性が生まれています。  原医研では、これらの学術領域を導入し放射線障害の研究と治療で世界的拠点と成るべく研究体制を整備する為に、一研究分野(教官三名)と二客員教授の増設を含む改組を行いました。また、研究所名を研究実態に合わせ「原爆放射線医科学研究所」に変更しました。所員一同は、原医研が広島大学唯一の附置研究所であることを深く自覚し、大学の期待に応えるべく努力する所存です。教職員や学生の皆様のご支援と研究戦線への参加を心よりお願いする次第です。


広大フォーラム34期1号 目次に戻る