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広島大学同窓会
〜大学と共に歩む支援組織として〜
文・桂 彬眞
(KATSURA, Yoshimasa)
体育会同窓会副理事長



第3回 広島大学同窓会大会
 広島大学は旧制大学、師範学校等の高等教育機関十校を母体に、昭和二十四年新制大学として広島市を中心に発足しましたが、その経緯からキャンパスは分散したままでした。また、同窓会もキャンパス同様、母体校等を単位に十三組織が独自活動を行っていました。したがって、同窓会組織の一体化には、キャンパス統合以上に大きな壁があり、実現への気運はなかなか盛り上がりませんでした。
 しかし、大学の東広島市への統合移転完了を前に、当時の原田学長のリードで、平成五年十二月に各同窓会代表者が参加し、同窓会連合体設立の協議が行われ、以後一体化の動きが一気に活発となりました。平成七年十月には、各同窓会組織は継続させつつ新しい時代へ対応するため「広島大学同窓会連合会」が発足し、その後も活動を継続し、ついに今年一月、この連合会の三文字を取り、「広島大学同窓会」と名称を変え、他の国立大学に先駆け、同窓会一体化へ新たな歩みを始めました。
 この過程では、「体育会同窓会」が大きな働きをしました。「体育会同窓会」は十三の同窓会の中で唯一学部・学科の枠を超えた同窓会で、かつ先輩・後輩の関係から、現役学生との繋がりが最も強い組織だからです。このメリットを生かし、同窓会大会の準備等ことある毎に、他の同窓会を縦軸とすれば、それらを纏める横軸として、現役学生も動員して多くの業務を担ってきたのです。  先日七月六日(土)には、今年一月「広島大学同窓会」が名称を改め、同窓会を一本化したという決意をさらに固めると同時に、目前の国立大学法人化に向けた、広島大学支援組織として発展するため、第三回「広島大学同窓会大会」を開催しました。大会は、上田東広島市長、頼実第六代学長ほか多数のご来賓を迎え、牟田学長、原田前学長(大会実行委員長)からご祝辞、ご挨拶をいただき、約千人の同窓生、教職員が結束を誓い、成功裡に終了いたしました。
 広島大学は、現在牟田学長のもと「世界トップレベルの特色ある総合研究大学」実現のために様々な努力をされておりますが、大学で一番重要なことは、学生に対し優れた研究に基づく立派な教育を行い、責任をもって社会のためになる人間を送り出すことです。私立大学に比べ、一大学当たり二十五倍もの国家予算が投入されている国立大学の使命を、教職員や学生は再度確認する必要があります。
 そして、高校生や一般社会人が、是非あの先生の授業を受けたいとか、あのゼミに入りたいとか、先生やゼミを選んで入学してくる大学となれば、広島大学はますます発展するでしょう。
 このためには、次のことが重要です。
 一点目は、前述のとおり大学側が国立大学の使命を果たすため、責任ある教育を行う。このためには、各学部の目標に沿った授業による教育だけでなく、課外活動も教育の一環として捉え、体育系や文化系のサークル活動に学生が積極的に参加できる環境を整え、これらの成果として、学生が在学中から「愛学心」というか「母校愛」を持てる大学となることです。教育については、大学に委ねることとなりますが、こと課外活動についての危惧は、体育会加入率の低下です。現在の学生気質によるのかも知れませんが、体育会や体育会同窓会の果たしてきた役割の重要性を考えると、これは問題です。しかし、幸いにも体育会会長である牟田学長には、課外活動の重要性はご理解頂けているので、今後に期待しています。

祝辞を述べる牟田学長
 二点目は、我々同窓生の結束です。法人化後の大学を考えると、同窓会による物心両面の支援が重要な要素になります。これは、この度の同窓会一本化が出発点ですが、体育会と同様に、卒業・修了生の同窓会加入率が低下しています。この解決には、牟田学長が広島大学ホームページを通じた同窓生向けサービスを充実する方策を検討されていることや、前述の「愛学心」向上が待たれるところです。  いずれにしても、広島大学の発展には、大学と同窓会がそれぞれの課題を解決しながら、共に歩んでいくことが大切だと思います。  「広島大学同窓会」も、これを構成している各同窓会は、それぞれ歴史と課題を抱えていますが、常に現在及び将来の広島大学に関心を持ち、実効ある大学支援組織となるよう、真の一体化に取り組んで行きたいと思います。


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